中国自動車大手ジーリー 新ブランド「ギャラクシー」設立 2025年までに7車種発売へ

公開 : 2023.02.24 18:25

ジーリーは、高級志向のサブブランド「ギャラクシー」を新設しました。今後2年間でハイブリッド車とEVを合計7車種発売する予定で、将来的には海外市場への進出の可能性もあります。

ハイエンドの電動化モデル 今後2年で7車種

中国の自動車大手ジーリー(吉利)は、高級志向のサブブランド「ギャラクシー」を新たに立ち上げた。

ギャラクシーは今後、「ハイエンドの電動化モデルシリーズ」として2025年までに4車種のハイブリッド車と3車種のEVの合計7車種を展開する予定だ。

EVコンセプト「ギャラクシー・ライト(Galaxy Light)」
EVコンセプト「ギャラクシー・ライト(Galaxy Light)」    ジーリー

シリーズ第一弾となるギャラクシーL7は、プラグインハイブリッド(PHEV)のSUVで、今夏に発売予定である。続いて秋にはPHEVセダンのL6の発売を予定している。

ギャラクシーのPHEVモデルはすべて、ジーリーとボルボが共同開発したプラットフォーム「E-CMA」を採用する。このプラットフォームは現在、ボルボXC40リチャージ、ポールスター2、Lynk & Co 01などのモデルで使用されている。

年内にはE8というEVモデルも発売される予定だ。このEVには、ジーリーのSEAプラットフォームから派生したものが使用されると予想される。SEAは現在、ロータスエレトレスマート#1、Zeekr 001など、さまざまなモデルに使われている。

E8は、ポルシェタイカンに似たファストバックのコンセプトモデル、ギャラクシー・ライト(Galaxy Light)をベースとしている可能性が高い。

ジーリーはまた、バッテリー保護システム「イージス」、ハイブリッドパワートレイン「ノールトール8848」、ソフトウェア「ギャラクシーNオペレーティングシステム」など、さまざまな新技術の詳細も明らかにした。

イージスは、衝突時の衝撃からバッテリーを保護する機構で、放熱能力を超える熱暴走を予測するという。ジーリーは、イージスによりバッテリー寿命を20%向上させることができるとしている。

ノールトール8848は、予測的エネルギー管理システムにより燃費を最大15%改善するパワートレインで、ギャラクシーL7の燃費は23km/lとされている。

これらの技術を支えるのが、クアルコムのスナップドラゴン8155プロセッサを使用したオペレーティングシステムで、車両をジーリーの衛星ネットワークに接続し、クラウドコンピューティングを実行する。ネットワークは72基の衛星を使用するもので、2025年までに運用が開始される予定だ。

ギャラクシーが中国国外に展開されるどうかは未発表である。ジーリーはすでにサブブランドLynk & Coを欧州に導入しているため、ギャラクシーも2020年代後半に導入される可能性が高い。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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