日産エクストレイル 詳細データテスト 動力性能と操縦性には満足 静粛性と低速での乗り心地は要改善

公開 : 2023.03.04 20:25

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

7座SUVを選んで、ハンドリング云々を論じるユーザーはほとんどいないと思う。しかし、それでもステアリングに安心感があり、手応えが自然で、精密さも十分すぎるほどなら、フィールもフィードバックもないよりは満足感が高まるはずだ。セルフセンタリングは多くのクルマより強めで、これに関する評価は二分した。

おそらくはファミリー向けSUVとしては驚くほどスポーティなタイヤであるハンコック・ヴェンタスS1 Evo3 SUVを履いているおかげで、ドライでもウェットでもグリップは良好で、ターンインのレスポンスもいい。

グリップは強力で、シャシー制御は自然かつ有効に機能する。4WD車にはオフロード向けの走行モードもあるが、前輪の前のフラップは擦りやすいので要注意だ。
グリップは強力で、シャシー制御は自然かつ有効に機能する。4WD車にはオフロード向けの走行モードもあるが、前輪の前のフラップは擦りやすいので要注意だ。    MAX EDLESTON

ややスピードを出しすぎてコーナーに入り、車体が流れても、スロットルをしっかり戻せば、走行ラインをきっちり修正することができるはずだ。

純電力駆動ということは、瞬時にトルクが立ち上がる。トラクションコントロールシステムによっては持て余すほどだが、ここでもエクストレイルは仕損じることがない。しかも、安全システムにぎこちなさや出しゃばりなところはまったくなかった。テストコースを走ったときでさえ、スタビリティコントロールは正しい走行ラインをバッチリキープしてくれる。

4WDモデルは、ロータリー式走行モードスイッチを装備。オフロードモードやスノーモードのほか、エコ、ノーマル、スポーツといった一般的なモードも選択できる。本格的なオフロードではテストできなかったが、泥道でも走りはよかった。

ただし、ほどほどの勾配がついた道で3点ターンでの方向転換をした際には、前輪の前にある空力フラップが、縁石に擦れてしまった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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