日産エクストレイル 詳細データテスト 動力性能と操縦性には満足 静粛性と低速での乗り心地は要改善

公開 : 2023.03.04 20:25  更新 : 2023.04.04 00:19

e−パワー+4WDのエクストレイルは、先代や競合車より強力なパフォーマンスを発揮し、ハンドリングもまずまず。高速域での乗り心地はゆったり。しかし、低速では路面不整の扱いに苦慮し、静粛性は期待に届きませんでした。

はじめに

日産エクストレイルは、やや奇妙な立ち位置を見出してきた。現在、欧州市場などでは日産最大のSUVであり、7人乗りを設定するという点では、同クラスのスコダキアヒョンデのみならず、より大きなトヨタ・ハイランダーとも競合する。

しかし、かつてのエクストレイルのキモはそこではなかった。2001年に登場した初代は、荷室のカーペットすらない、飾り気のない四駆だったのだ。4WDシステムは盛大なノイズを発したものだが、二駆が追加されたのは、だいぶあとになってからだ。

テスト車:日産エクストレイルe−パワー E−4ORCE AWDテクナ
テスト車:日産エクストレイルe−パワー E−4ORCE AWDテクナ    MAX EDLESTON

2代目もそのコンセプトは受け継いだが、よりファミリーユーザーにもフレンドリーに。だが、身内のキャシュカイとややキャラがかぶるという問題が発生した。そこで3代目はやや大型化し、キャシュカイ+2に代わる3列シート設定モデルとなった。あわせてキャシュカイは小さめになったので、棲み分けが明確になった。

4代目となる現行モデルは、先代のとった方向性をさらに進めたものだ。ヴィジュアル的にはキャシュカイの大型版的なところが薄れ、エクストレイルらしさは大いに残された。そして、エマージェンシー的な3列目シートを備える。加えて、日産独自のパワートレインであるe−パワーを設定することで、独自性を強めている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Koichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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