パワートレインに勝るシャシー ポールスター2 BSTエディション270へ試乗 専用ダンパー獲得 前編

公開 : 2023.03.26 08:25

オーリンズの調整式ダンパーを採用

具体的に2 BSTエディション270へ施された内容を確認すると、容姿で真っ先に目がゆくのは、センターストライプの次に21インチのアルミホイールだろう。鍛造で軽さにも配慮され、操縦安定性を求めて前後で幅が変えられている。

タイヤは、通常の2よりソフトな専用コンパウンドが採用された、ピレリPゼロ。ステアリングホイールへ伝わるフィードバックを豊かにし、グリップ力を高めることが目的だという。

ポールスター2 BSTエディション270(英国仕様)
ポールスター2 BSTエディション270(英国仕様)

そして冒頭でも触れたが、サスペンションも特別。車高が25mmも落ちるコイルスプリングは、パフォーマンスパッケージのアイテムよりレートが高められている。フロントストラットの取り付け部分には、ボディ剛性を増すブレースも追加されている。

ダンパーは、スウェーデンが誇るオーリンズ社製。ポールスターのシャシー技術者、ヨアキム・リドホルム氏は、乗り心地と操縦特性を細かく設定できるようにしたと説明する。

リアにはデュアルフロー・バルブを備えたシンプルな調整式が選ばれているが、フロントには圧縮と伸長を個別に調整できる、専用ダンパーが開発された。一般的には、モータースポーツで活躍するマシンに採用されるような逸品だ。

フロントのボンネットを開くと、美しくゴールドに輝く2本のダンパー・リザーバータンクの姿を拝める。充電ケーブルと一緒に。

クルマ好きなら、そのタンクの付け根にあるノブを回し、挙動の変化を確かめたいと思うに違いない。チューニングカーが積むような、ニトロ・システムに見えなくもない。BEVには無意味だけれど。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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