スバル・ソルテラ 詳細データテスト 走りは平凡で航続距離は不満 内装は質感不足 乗り心地には満足

公開 : 2023.03.25 20:25  更新 : 2023.04.04 01:27

意匠と技術 ★★★★★★☆☆☆☆

ソルテラのプラットフォームは、新開発のe-スバルグローバルプラットフォーム。トヨタとの共同開発で、そちらではe-TNGAと呼んでいるものだ。デザインもまた、共同で行われている。

外見的には、その2台はほぼ変わらない。ホイールのデザインまで同じだ。前後ライトや、グリルらしきデザインを強調したフロントバンパーが、テスラ的ノーズのbZ4Xと大きく異なる部分だ。

トヨタbZ4Xとは異なり、ソルテラはグリル風のパネルが大きい。見栄えもいいが、センサー類があれこれ目につかないのも感じがいい。
トヨタbZ4Xとは異なり、ソルテラはグリル風のパネルが大きい。見栄えもいいが、センサー類があれこれ目につかないのも感じがいい。    LUC LACEY

それでも、スバルが初の市販EVで、もっと個性を打ち出してほしかったと思わずにはいられない。できれば、ルックスはもっとトヨタとの差別化を図るべきだったのではないだろうか。

メカニズム的には2モーターの4WDのみで、bZ4Xと違って1モーター仕様は用意されない。最低地上高は211mmで、bZ4Xの4WDモデルの206mmや、アウディQ4 E-トロン・クワトロの180mmを上回る。そのため、轍の深い道や泥道、傾斜の大きいスロープや深い水たまりで、競合車より多少なりとも安心感が高い。

ソルテラはまた、オフロード志向の電子制御トラクションコントロールや走行モード、ヒルディセントコントロールも備える。しかし、タイヤはbZ4Xと同じブリヂストン・アレンザだ。

牽引に使いたいユーザーには、残念な話がある。最大牽引重量が750kgしかないのだ。これはスコダ・エンヤックiVのだいたい半分で、ボルボXC40にも及ばない。

モーターは前後とも108ps/17.3kg-mを発生する。多くのライバルよりパワーは控えめだが、低回転でトルクをより有効に活用するよう、ギア比がショートだ。

その選択は、高速巡航での効率や、それに伴い航続距離にも、当然ながら影響してくる。しかし、もっと大きな問題は別のところにある。bZ4Xと同じく、キャビン床下のバッテリーは、容量が71.4kWhしかないのだ。

これは、2モーター仕様のテスラ・モデルY日産アリア、ボルボXC40、はたまたフォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを用いるSUVといったライバルたちよりかなり少ない。近いのは、BMW iX1やメルセデス・ベンツEQBだ。

上級グレードであるテスト車の航続距離は、公称414km。このクラスの競合モデルは、これをほぼ3割は上回る。

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