ジャガー 新型4ドアGT、2024年発売へ 航続距離700km EVブランドとして再出発

公開 : 2023.04.21 06:05

ジャガーは電動化を中心とするブランド再構築の最初の一手として、2024年に4ドアGTをリリースすると発表しました。航続距離700km、価格10万ポンド以上の高級EVで、新世代の旗手となります。

ブランド再構築の旗手 2024年登場

ジャガーは、電動化を中心とするブランド再構築に向け、3つの新たなモデルを投入すると発表した。最初のモデルは、ジャガー史上最高の出力を持つ4ドアGTになる予定だ。

この4ドアGTは2024年に一部の市場で発売後、2025年に納車を開始する予定となっている。ジャガー・エレクトリファイド・アーキテクチャー(JEA)と呼ばれる全く新しいEV専用プラットフォームを使用する。

ジャガーはバッテリーEVの4ドアGTを来年発売する予定だ。(画像は予想レンダリングCG)
ジャガーはバッテリーEVの4ドアGTを来年発売する予定だ。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

JLRによると、1回の充電での航続距離は最大700km、価格設定は10万ポンド(約1670万円)以上になるという。詳細は未公表だが、電気モーターを2基搭載し、出力は580psを超える可能性が高い。

開発におけるバーチャルテストはすでにほぼ終了しており、これから現実世界での実走行テストへと移行する。ジャガーは新モデルの予告画像を公開したが、手がかりは少なく、その全体像はまだつかめない。

JLRのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジェリー・マクガバン氏は、4ドアGT以降のジャガーのスタイリングは、創設者であるウィリアム・ライオンズ卿のマントラと哲学を引用し、「the copy of nothing(何物のコピーでもない)」と表現した。

マクガバン氏は、ジャガーのように「愛され、大切にされているブランド」の再生を任されたことは「光栄」であり、「真の英国のラグジュアリーブランド」としての過去の位置づけに戻すことを誓った。

また、EタイプとXJSを引き合いに出し、衝撃的だが美しいデザインを生み出すというジャガーのあり方を示す青写真を作ったという。現在のジャガーのラインナップは、別の戦略のもとに作られたものであり、もう追従することはないと述べた。

「当時のEタイプは、まるで宇宙から落ちてきたかのようでした。XJSも同じように魅力的で、何のコピーでもありません。Eタイプをコピーすることなく、再びスタートしたのです。現在のジャガーのデザインは悪くありません。この戦略は、より普遍的な魅力と、より主流なプレミアムを追い求めることで、クルマをより普通のものにしました。わたし達は(昔の哲学に)戻りたい。完全に再構築するのです」

新世代のデザイン哲学 驚くような感覚

マクガバン氏は、今後のジャガーデザインの4つの柱は、高揚感、大胆さ、独自性、先進性であると語った。

「ジャガーには、あっと驚くような瞬間や、”Wow” という感覚が必要なのです」

2024年発売予定の4ドアGTの予告画像
2024年発売予定の4ドアGTの予告画像    ジャガー

3つの新モデルは、JLRの全ブランドのクリエイティブ部門全員が参加した社内デザインコンペで生まれたものだ。クリエイティブ部門は3つのチームに分けられ、わずか3か月の間に合計18台のフルサイズモデルが作られた。その中から最終的に3台を選び出したという。マクガバン氏は、このデザインが選ばれたことについて「満場一致だった」と話す。「議論はありませんでした。これだ、と」

「そこからデザインの方向性を導き出し、3台からデザインを発展させました。デザインは進んだ段階にあります」

最初のモデルは衝撃を与えるだろうが、2台目と3台目のモデルはそのデザインを踏襲し、1つのファミリーを形成するはずだ。

4ドアGTに続く2台のモデルは、クロスオーバーになる可能性が高く、2024年以降、1年に1台のペースで登場する。

新モデルはすべて、JLRの英ソリハル工場内で生産される予定だ。生産台数は、シリーズ全体で年間5万台程度を見込む。

JLRの車両プログラム・エグゼクティブ・ディレクターであるニック・コリンズ氏は、新しいJEAプラットフォームについて「熱狂的なデザイン、プロポーション、洗練、パフォーマンスを可能にする」として、他のEV専用プラットフォームをコピーすることはないと述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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