ジープ・チェロキー

公開 : 2014.05.26 17:57  更新 : 2017.05.29 18:34

FFモデルをラインナップすることからも分かるように、新型チェロキーのベースは米国でダッジ・ダートとして販売されている乗用車だ。プラットフォームは、“コンパクトUSワイドプラットフォーム”と呼ばれるもので、元をたどればアルファ・ロメオジュリエッタに行き着く。

しかし、FFがベースとはいえ、ジープを語る上で外せない4WDシステムに抜かりはない。新型チェロキーの4×4システムは、グレードによって2種類。泥濘路や岩場で活躍する4Lowモード(副変速機)を持つ“ジープ・アクティブドライブⅡ”をリミテッドに、より本格的なオフロード走行性能を持つロッキングリヤディファレンシャルを装備の “ジープ・アクティブドライブロック”をトレイルホークに採用した。さらに両4×4システムとも路面状況や天候、シチュエーションに合わせ、オート、スノー、スポーツ、サンド/マッド、ロックという5つの走行モードを選択できる最新電子デバイス“セレクテレインシステム”を搭載。新型チェロキーを、誰もが求めるタフな4×4、“ジープ”として走らせられる。

一般路では「車高は高いが、まるで乗用車」との表現がふさわしい静かで快適な乗り心地に終始するが、オフロードでは道無き道を行くジープそのものである。先代比で36%剛性を向上したボディは、片輪が浮くような状況でもミシリともいわない。もちろん、その際のドアの開け閉めも完璧に行える。

トレイルホークには“セレクトスピードコントロール”とジープが呼ぶ低速オフロード走行用のクルーズコントロールも装備。車体が走行中の勾配を感知しアクセル開度を制御、ABSを作動させ滑りやすい下りも安全に走行できるほか、登りでも適切なパワーを4輪に伝えてくれた。スリッピーなオフロードでは、実に心強い最新デバイスである。

ジープでは「ラングラーに次ぐオフロード性能を確保した」と説明するが、その実力に偽りはないだろう。エンジンの横置き化や乗用車ベースという点だけで評価しては新型チェロキーの実力を見誤ると、これまでのジープ愛好者に進言したい。

(文・櫻井健一 写真・花村英典)

ジープ・チェロキー・ロンジチュード

価格 379.00万円
0-100km/h na
最高速度 na
燃費 10.4km/ℓ
CO₂排出量 na
車両重量 1730kg
エンジン型式 直4SOHC,2359cc
エンジン配置 フロント横置き
駆動方式 前輪駆動
最高出力 177ps/6400rpm
最大最大トルク 23.4kg-m/3900rpm
馬力荷重比 102ps/t
比出力 75.0ps/ℓ
圧縮比 10.0:1
変速機 9段A/T
全長 4630mm
全幅 1860mm
全高 1700mm
ホイールベース 2700mm
燃料タンク容量 60ℓ
荷室容量 399-1554ℓ
サスペンション (前)マクファーソン・ストラット
(後)マルチリンク
ブレーキ (前) φ330mmディスク
(後)φ278mmディスク
タイヤ 225/60R17

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