新型アルファード 「5つのこだわり」をトヨタ執行役員が語る ヴェルファイア廃止案も明らかに

公開 : 2023.06.21 20:32  更新 : 2023.06.29 00:14

新型アルファードを撮影。トヨタ幹部が、「5つのこだわり」を教えてくれました。その話の中でヴェルファイアの廃止案も明らかに。

「認めない!」 ヴェルファイアは継続

トヨタが発表した新型「アルファード」と「ヴェルファイア」。

日本の上級ミニバン市場のリーダーのような存在だが、フルモデルチェンジ車はどのような魅力を追求したのだろう。

新型トヨタ・アルファード・エグゼクティブラウンジ
新型トヨタ・アルファード・エグゼクティブラウンジ    前田惠介

同社のデザイン領域を率いるサイモン・ハンフリーズ執行役員(チーフブランディングオフィサー)が、発表会の場で5つのこだわりを挙げてくれた。

1つ目は、“2人(アルヴェル)は、誰に愛されているかを知っている”ことだという。

「アルファードが自信をつけすぎたことで、実は、ヴェルファイアは廃止される運命になっていたのです」

「しかし、このことが社内で広まると、ヴェルファイアを支持する声が殺到! 開発チーム、経営陣、販売店、そして一部のVIPアドバイザーまでもが“絶対に認めない”と強い感情をあらわにしたのです」

「力強さと自信から、アルファードはその典型です。一方ヴェルファイアには“ちょい悪のヤバイやつ”という唯一無二の魅力があるのです」

「強い個性と存在意義を持って、2人は今後もライバルとして激しく闘い続けるでしょう」

ミニバン・アレルギーを克服するデザイン

2つ目は、“箱型ではないワンボックス”というスタイリング。

「体のデカさに相応しい“美しい筋肉”を身に着けました」と語るハンフリーズ氏。

新型アルファード・エグゼクティブラウンジ(外装色:プレシャスレオブロンド)
新型アルファード・エグゼクティブラウンジ(外装色:プレシャスレオブロンド)    前田惠介

「もう、箱型なんて言わせません。技術革新が、デザイン上の制約を解放。ダイナミックに心を揺さぶるスタイルをつくり出したのです」

開発者に話を聞くと、ドラマチックなボディサイドの造形は、抑揚の深さが従来型の3倍もあるそうだ。車室の広さは維持し、1850mmの全幅も変えることなく、技術陣が知恵を出し合ってこのフォルムを実現したという。

3つ目は、“ワンタッチで世界を変えられる”こと。

「極上のドアの開閉フィーリングで、ストレスなく別世界へ入れます」

「ボタンひとつでくつろぎたい、癒されたい、集中したいなど気分に合わせてシート位置や照明、空調を最適化。あなた好みの世界へと瞬時に変えてくれるのです」と続けた。

プラグインハイブリッドも登場へ

4つ目は、“やりすぎたコクピット”。

「決して、後席のオーナーだけを満たすのではありません」

アルファード・エグゼクティブラウンジ 2列目の内装
アルファード・エグゼクティブラウンジ 2列目の内装    前田惠介

「2台ともに、14インチのセンターディスプレイ、12.3インチのメーター、ヘッドアップディスプレイを装備。それらを柔らかな革で包み込んだ空間は、まるでハイブランドの工芸品といっても過言ではありません」

最後は、“人のために、地球のために”。

「究極のユーザーエクスペリエンスを、目には見えないところまで。たとえば走行時、人が不快に感じる振動は、なんと現行車の3分の1! ラグジュアリーセダンと遜色のないレベルです」

「また、人間へのおもてなしだけでは“いいクルマ”とは呼べません。環境へのおもてなしも忘れない。今後PHEVも登場予定なのです」

PHEVの登場もアナウンスされた新型アルファードとヴェルファイア。

店頭でどのような評価を得るか、マーケットの動向を追いかけていきたい。

記事に関わった人々

  • 撮影

    前田惠介

    Keisuke Maeda

    1962年生まれ。はじめて買ったクルマは、ジムニーSJ30F。自動車メーカーのカタログを撮影する会社に5年間勤務。スタジオ撮影のノウハウを会得後独立。自動車関連の撮影のほか、現在、湘南で地元密着型の写真館を営業中。今の愛車はスズキ・ジムニー(JB23)
  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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