トヨタ新型「C-HR」 7年目のフルモデルチェンジ 個性派SUVが築いた独自のポジションとは

公開 : 2023.06.26 16:07  更新 : 2023.06.26 22:30

日本でもSUV販売ナンバー1に

C-HRの日本仕様は、2016年末に発売。

4代目プリウスに次いでTNGAプラットフォームを採用し、パワートレインは2WD(FF)車には1.8L+モーターのハイブリッド、4WD車には1.2Lターボを搭載した。

初代C-HRの日本仕様。後ろ姿だけでも見分けられる斬新なデザインだが、日本市場でも受け入れられた。
初代C-HRの日本仕様。後ろ姿だけでも見分けられる斬新なデザインだが、日本市場でも受け入れられた。    花村英典

SUVとしては斬新なスタイリングは賛否両論だったが、コンサバな日本市場でも予想以上に人気を集めている。

とりわけ2017年4月には、SUVとして初めて、自販連の車名別月間販売台数で第1位となり、2017年の通年(1月〜12月)でも11.7万台を登録して第1位を獲得した。

初代C-HRはヨーロッパをはじめ世界各国でも2017年から発売され、世界的にも人気を集めることになる。

とくにヨーロッパでは、2021年でもヤリスやカローラに次ぐ人気を誇るロングセラーとなっている。

2019年 GRスポーツの登場

2019年10月、C-HRは初のマイナーチェンジを受ける。

フロントの灯火類やエアインテークなどがアップデートされ、ボディカラーや内装色の変更など、小規模な内容にとどまっている。

アグレッシブな顔つきのGRスポーツ・モデル。写真は「C-HR S GRスポーツ」。
アグレッシブな顔つきのGRスポーツ・モデル。写真は「C-HR S GRスポーツ」。    池之平昌信

だが、このマイナーチェンジでもっとも注目されたのは、トヨタGAZOOレーシングが手がける「GRスポーツ」が設定されたことだ。

外観はフロントのバンパースポイラーやアンダーグリル、アンダーガードなどを専用デザインとし、タイヤサイズは19インチにアップ。アルミホイールも専用デザインとして迫力を高めた。インテリアもブラック基調のみで専用の本革巻きステアリングホイールや専用スポーツシート、アルミペダルなどを装備。そして「GR」のエンブレムが内外装のあちこちに誇らしげに付けられている。

パワートレインこそノーマルのC-HRと変わらないものの、サスペンションのスプリングやダンパー、電動パワーステのセッティングなどは専用のチューニングが施され、フロア下部にはセンターブレースも追加しボディ剛性をアップ。

このGRスポーツの登場で、C-HRはほかのコンパクト・クロスオーバーとは違う、スポーツドライビングも楽しめるモデルとして、その独自のポジションを固めていった。

2020年 EV版が中国市場に

また、2019年にはC-HRのピュアEV(電気自動車)バージョンも発表されている。

これは、翌2020年に中国で発売されたモデルで、トヨタブランドとして中国市場に初投入されるEVとなった。

中国市場で2020年に発売されたEV版のC-HR
中国市場で2020年に発売されたEV版のC-HR    トヨタ

フロントフェイスは輪郭を強調した意匠が与えられ、ノーズのトヨタマークの傍らには「EV」のバッジを配し、Aピラー付け根のELECTRICのエンブレムがアクセントとなっている。

システム的には「レクサスUX300e」とほぼ同じ、150kW/300Nmを発生する電気モーターを搭載し、航続可能距離は約400km。

だが、残念ながら日本では販売されることはなかった。

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR JAPAN

    Autocar Japan

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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