最大の強みは信頼性? トヨタC-HR+(2) EVへの遅れ挽回へ UKでの価格競争力は高い 心地良い反応の両ペダル

公開 : 2026.03.31 11:45

トヨタ3番目となる量産EV、C-HR+が英国でリリース。74.7kWhのバッテリーで、航続は最長608kmがうたわれます。心地良い反応の両ペダルに、身軽なコーナリング。UK編集部が評価しました。

両ペダルの滑らかな反応が心地良い

トヨタの新しいバッテリーEV、C-HR+。最近の同社のモデルは、運転体験に優れる例が多いが、この電動クロスオーバーにも当てはまる。特徴は薄いとしても、アクセルとブレーキ、両ペダルの滑らかな反応が心地良い。

EV専用プラットフォームを基礎骨格とし、グレードを問わず出だしは軽快。167psで前輪駆動のシングルモーター版は、軽くないロングレンジでも、0-100km/h加速を7.6秒でこなす。特に、発進時のトルク感が頼もしい。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)

車重は、57.7kWhの駆動用バッテリーを積んだ前輪駆動で1850kg。74.7kWhのユニットでは90kgほど重くなるが、増加は最小限に留めている。

ツインモーターで四輪駆動の342ps版も試乗したが、確かに高速化はされる。ファミリークロスオーバーは、そこまでの速さが求められるタイプではないといえるが。

運転を楽しめる電動クロスオーバー

ツインモーター版よりシングルモーター版の方が、走りは好ましい様子。グレートブリテン島の傷んだアスファルトを、優れた安定性で駆け抜けてくれた。姿勢制御は適度に引き締まり、サスペンションは滑らかに入力をなだめてくれる。

ステアリングホイールの反応はシャープとはいえないものの、旋回時の身軽さは特筆もの。回生ブレーキの効きを強くすることで、アクセルペダルの加減でコーナリングラインを調整することも僅かながら可能だ。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)

回生ブレーキの効きは、ステアリングホイール裏のパドルで選択可能。ワンペダルドライブには対応しない。ロードノイズは、やや大きめに思えた。

電動クロスオーバーながら、特にシングルモーターのC-HR+は、運転を楽しめると表現できる。競争の激しいクラスでの必要条件といえるが、充分に満たせている。操縦性を追求したわけではない、ブリヂストン・アレンザ・タイヤを履いていても。

高い価格競争力に最長10年の保証

シングルモーター版の電費は、カタログ値で7.4km/kWhがうたわれる。今回は、充分な平均値を得られるほどの距離を走れていないが、期待したいところ。

英国での価格競争力は高い。エントリーグレードのアイコンで、3万2995ポンド(約693万円)から。お買い得なミドルグレード、デザインでは3万6150ポンド(約759万円)へ上昇するが、欧州のライバル、シュコダ・エルロックより確実に安い。

トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)
トヨタC-HR+ デザイン(英国仕様)

トヨタだから、信頼性は高いはず。ディーラーでの点検を毎年続けている限り、10年間の保証が付く。駆動用バッテリーの実用量が新車時から何%減っているのか、メーター用モニターで確認することもできる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 撮影

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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