ルノー・オーストラル 詳細データテスト 上質なパワートレイン 広く質感の高い室内 4WSは要改善

公開 : 2023.07.29 20:25

内装 ★★★★★★★☆☆☆

エクステリア同様、インテリアの方向性もメガーヌに倣ったものだ。それまでのルノーの内装より角張っていて層が多く、黒いパネルに覆われたダッシュボードにはディスプレイと送風口がふたつずつ備わる。

メガーヌはさまざまな素材をごた混ぜに使っていて、なかにはちょっと歓迎できないようなものも見られた。オーストラルはもっとバランスの取れた内容で、どこをとっても満足できそうな質感だ。

センターコンソールには画面操作に便利なパームレストが備わる。しかし、その下にあるドリンクホルダーを使う際には後退させる必要があるので、用をなさなくなる。
センターコンソールには画面操作に便利なパームレストが備わる。しかし、その下にあるドリンクホルダーを使う際には後退させる必要があるので、用をなさなくなる。    MAX EDLESTON

技術的な部分と同じく、キャシュカイとの相違は明確だ。共有部品はボタンひとつも見つからず、スクエアでビジネスライクな雰囲気の強い日産に対し、ルノーは華やかに飾られている。必ずしも優劣をつけられるようなものではないが、少なくとも両者の違いは明らかだ。

オーストラルは技術面に重点を置いているようだが、使い勝手もおろそかにはしていない。エアコンの主要な機能はロッカースイッチで操作し、シートヒーターのセッティングはディスプレイで行うもののアクセスしやすい。ステアリングホイールのスイッチは、実体ボタンを用いている。

センターコンソールのデザインは、全面的にうまくいっているわけではない。ドライブセレクターはステアリングコラムに設置され、取り回し時に便利なうえ、センターコンソールのスペース拡大にも寄与する。しかし、小物入れはさほど深くない。ハイブリッド用バッテリーの上に配置されているからだ。

結果として、ドリンクホルダーになにかをおこうと思ったら、携帯電話用トレーを後方へスライドしなくてはならず、後ろ側の小物入れが使えなくなる。また、せっかくのパームレストがディスプレイから遠くなってしまって用をなさなくなる。

後席は、キャシュカイやカジャーより広くて使いやすく、スペースの大きいキア・スポーテージと比べてもきわめてわずかな差しかない。しかし、荷室はキアより157Lも少ない。シートスライドも、それを埋め合わせることはできない。

後席フォールドが、完全にフラットにならないのも残念なところ。とはいえ、荷室側にあるシートフォールド用レバーは使いやすいし、スペースはかなり実用的だ。ハーマンカードン製オーディオ非装着車を選べば、サブウーファーが装備されないフロア下には、スペースセーバータイプのスペアタイヤを積めるくらいのスペースも手に入る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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