意外にも経済的なPHEV 10選 高価なのに売れている上級ハイブリッド車、合理的な選択肢

公開 : 2023.07.30 18:05

2. ボルボV90リチャージT6

長所:広々として快適、抑制の効いたスカンジナビアン・デザインの魅力

短所:大きい、かなり高価、少々刺激に欠ける

2. ボルボV90リチャージT6
2. ボルボV90リチャージT6

ボルボがステーションワゴンにPHEVパワートレインを導入するようになったのは、この業界でも比較的早い時期のことだが、最新のV90リチャージT6は、電動ワゴンの中でも傑出したオールラウンダーである。

V90リチャージT6は2022年実施のアップグレードにより、18.8kWhのバッテリーパックを搭載し、電気のみで最大87kmを走行できるようになった。従来よりも使い勝手が向上し、また英国BIKも8%におさまる。

現行型は最高出力345psとパワフル(ボルボのPHEVで最強というわけではない)で、高速道路でマイルを稼ぐには十分すぎるほど。

PHEVとしてのV90リチャージT6の利点の1つは、四輪駆動で購入できることだ。とはいえ、電気モーターで後輪を、内燃エンジンで前輪を駆動するというレイアウトであるため、EVモードでは後輪駆動となる。ラフロードを活発に走り回るようなキャラクターではないが、悪天候や荒れた路面、高速走行で頼りになる。

質感が高くリラックスできるキャビン、落ち着いたローリング特性などはボルボの名刺代わりとなろう。広々として洗練され、寛大で、成熟していて、日常生活で見事に多用途に使える。これこそ、ビッグ・ボルボのあるべき姿なのだ。

3. レンジローバー・スポーツP460e

長所:優れたEV走行距離、高級感あふれるキャビン、大型SUVとしては優れたハンドリング

短所:高価、大きい、長距離走行では経済的ではない

3. レンジローバー・スポーツP460e
3. レンジローバー・スポーツP460e

他社には出遅れたが、ランドローバーもついにPHEVパワートレインの可能性に目覚めたようだ。そして、クルマが大型であればあるほど、その可能性は議論の余地なく大きくなる。

最新のレンジローバー・スポーツP460eも同様。2022年に発売された新世代のPHEVバージョンでは、38.2kWhのバッテリーを搭載し、WLTPでのEV走行距離は約120kmとされる。

レンジローバー・スポーツは、フラッグシップのレンジローバーとの共通点も多い。プラットフォームとエンジン、PHEVのパワートレイン技術も共有している。内外装の質感、ラグジュアリー性、走りの洗練性という点で、先代モデルから飛躍的に進化しているが、レンジローバー・スポーツらしいパフォーマンスとハンドリングのダイナミズム、ブランドのDNAであるオフロード性能は十分に維持している。

デメリットは、決して安くはないこと。英国価格は9万ポンド(約1630万円)からとなる。また、3列目シートを希望する人は、フラッグシップのレンジローバーか、下のランドローバー・ディフェンダー130ないしディスカバリーに目を向ける必要がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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