意外にも経済的なPHEV 10選 高価なのに売れている上級ハイブリッド車、合理的な選択肢

公開 : 2023.07.30 18:05

4. メルセデス・ベンツC300e

長所:価格の割に長いEV走行距離、実用性の妥協の少なさ、車載のデジタル技術

短所:スポーツセダンのようなハンドリングに欠ける、キャビンの質感がやや期待外れ

4. メルセデス・ベンツC300e
4. メルセデス・ベンツC300e

現行型メルセデス・ベンツC300eは、多くのライバルの2倍の大きさの駆動用バッテリーを搭載し、WLTPで100kmのEV走行距離を謳う。節税効果を高めるだけでなく、燃料代を少なく抑えられるなど、このクルマがもたらす節約効果は大きい。

C300eのパワートレインは、2.0Lガソリンターボと129psの電気モーターで構成され、最高出力は312ps。セダンとステーションワゴンの2種類のボディスタイルがあり、乗員スペースとトランクルームはいずれも大きな妥協はない。

洗練性と快適性、そしてゆったりとしたラグジュアリーファーストの「ミニSクラス」的な雰囲気が印象的なC300e。走りに熱心なドライバーは、他車を好むかもしれない。しかし、ほとんどのドライバーや企業にとって、人気の選択肢であることは間違いない。

5. ボルボS60リチャージT8

長所:パンチの効いたパフォーマンス、強力なEV走行距離、スポーツセダンのルックス

短所:スポーティなハンドリングに欠ける、ライバルほど広くない、高価

5. ボルボS60リチャージT8
5. ボルボS60リチャージT8

非常にハンサムなボルボS60は、スマートでスタイリッシュな快速PHEVであるが、最近のアップデートでEV走行距離が伸び、その魅力に磨きがかかっている。

大型化した18.8kWhバッテリーを搭載するS60 T8のEV走行距離は最大90km、CO2排出量は17g/kmとなり、英国BIKは8%と比較的低く抑えられている。さらに、リアに搭載された電気モーターと4気筒ガソリンターボを組み合わせることで、最高出力455ps、0-100km/h加速はわずか4.6秒となっている。

確かにパワフルだが、本格的なスポーツセダンではなく、ハンドリングはやや飄々としており、エンジン音も刺激的ではない。とはいえ、ステアリングはきちんと正確で、路面にもよくしがみつく。しかし、結局のところ、S60は楽な移動を好むクルマであり、高速道路を流したり、混雑した市街地を這いずり回ったりするのも苦ではない。無音に近いEVモードでも加速は十分に爽快で、巡航時の乗り心地は滑らかでリラックスできる。

パワーを抑えた最高出力355psのS60 T6もあるが、これはステーションワゴンのV60にしか設定されていない。いずれにせよ、印象的なEV走行距離、一流のインテリア、気楽な運転体験、そして比較的低いランニングコストで、ビジネスに精通したドライバーには最適な選択肢である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    英国編集部ロードテスト・エディター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ。テレビゲームで自動車の運転を覚えた名古屋人。ひょんなことから脱サラし、自動車メディアで翻訳記事を書くことに。無鉄砲にも令和5年から【自動車ライター】を名乗る。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴとトマトとイクラが大好物。

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