最高出力580ps以上 ウィリアムズ 水素燃料電池車向けプラットフォーム発表

公開 : 2023.09.08 06:05

・F1で知られるウィリアムズの子会社がFCEV向けプラットフォームを発表。
・最高出力580ps以上、0-100km/h加速2.5秒以下と「超高性能」を標榜。
・小規模メーカーのゼロ・エミッション化を支援。

「超高性能」FCEVプラットフォーム

英国のウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(WAE)は、「超高性能」の水素燃料電池車向けプラットフォーム「EVRh」を発表した。同社はF1への参戦で知られるレースコンストラクター、ウィリアムズの子会社である。

EVRhは、同社が昨年、少量生産のスポーツカーメーカーのバッテリーEV化を支援するために設計したEVRプラットフォームの改良版だ。「最先端」の水素燃料電池システムと液冷式バッテリーを組み合わせ、最高出力584ps、0-100km/h加速2.5秒以下を謳う。

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(WAE)のEVRhプラットフォーム
ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリング(WAE)のEVRhプラットフォーム    WAE

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングは、EVRhベースの車両がニュルブルクリンクで7分20秒以下のラップタイムを達成できると推定している。

EVRhはクーペやタルガトップなど、幅広いボディタイプに対応するよう設計されている。重心を最適化するためにミドシップ方式のレイアウトを採用し、後輪駆動と前輪駆動に対応できる。

同社はEVRhによって自動車メーカーの水素自動車市場への参入を加速させ、開発から市場投入までの時間とコストを削減できるとしている。

例えば、小規模メーカーのEV開発支援を目的とした前作EVRは、オーストリアの新興企業デウスに採用され、最高出力2200ps、最大トルク204kg-mを発生するというハイパーカー「ヴァイアン(Vayanne)」が誕生した。

ウィリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングの技術責任者であるポール・マクナマラ氏は次のように語っている。

「2010年の設立以来、WAEはさまざまな用途や産業において、最先端かつ革新的な技術イノベーションに専念してきました」

「EVRhは、ゼロ・カーボン車のソリューション開発におけるWAEの能力を示す重要な一例であり、最先端のFCEV(水素燃料電池車)を迅速かつコスト効率よく市場に投入することを可能にします」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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