刺激的な前輪駆動の走り ルノー・メガーヌR.S. 英国版中古車ガイド 秀でた才能は霞まない

公開 : 2023.09.21 19:05

フランス製ホットハッチ、メガーヌR.S. 優れたシャシーに強力な1.8Lエンジンが融合 オススメはメガーヌR.S. 280のカップ

刺激的な前輪駆動の走り 秀でた才能は霞まない

知る人ぞ知るフランス製ホットハッチルノーメガーヌR.S.。刺激的な前輪駆動の走りを愛するドライバーなら、嫌いになることはないだろう。

現在販売されているのは、2016年にリリースされた3代目に当たるメガーヌR.S.。何台かの有能なホットハッチがそれ以降モデルチェンジしているが、まだ秀でた才能が霞むことはない。ちなみに、メガーヌとしては4世代目に当たる。

ルノー・メガーヌR.S.(2016年〜/欧州仕様)
ルノー・メガーヌR.S.(2016年〜/欧州仕様)

ボディスタイルは5ドアのみとなったが、リアドアが追加されたことで実用性は高まった。4気筒ターボエンジンは先代の2.0Lからダウンサイジングされ1.8Lになったが、大きなターボチャージャーの力を借り、R.S. 280でも280psへ強化されている。

英国仕様の場合、トランスミッションは6速マニュアルか6速デュアルクラッチ・オートマティックが選択可能。優れたシャシーには、引き締められたカップ仕様が用意された。中古車でもまだまだ魅力的だ。

メガーヌR.S. 300トロフィーでは、そのカップ・シャシーが標準。最高出力も300psへ増強されている。ブレーキはアップグレードされ、補機バッテリーは軽量なリチウムイオンを採用。通常より18kgも軽く仕上がっている。

合計で8kg軽量なホイールも、英国では選択できる。これでも満足できないドライバー向けに、一層のダイエットを果たしたR.S. トロフィーRが、頂点に据えられている。

軽いボディに強力なエンジンが融合

小柄なハッチバックでも装備は充実しており、LEDヘッドライトにリア・パーキングセンサー、キーレスエントリーなどは標準。オプションのセーフティパック・プレミアムを指定すれば、衝突被害軽減ブレーキも実装される。

軽いボディに強力なエンジンが融合し、一般道ではまさに宝石。R.S. 300トロフィーの0-100km/h加速は5.7秒で、最高速度は260km/hと速さも不満なし。スポーツ・モードやレース・モードを選ぶと、壮観なエグゾーストノートも奏でる。

ルノー・メガーヌR.S.(2016年〜/欧州仕様)
ルノー・メガーヌR.S.(2016年〜/欧州仕様)

サスペンションは標準でも硬めだが、荒れた路面に手を焼くことはない。カップ・シャシーでは一層引き締まり、舗装状態では激しい揺れに見舞われる。

操縦性や姿勢制御は秀抜。ステアリングは鋭く正確で、グリップ力は極めて高い。後輪操舵システムも備わり、息を呑む勢いで旋回してみせる。望外に面白い。

コクピットには、乗員の体をしっかり支持するレカロシートが2脚。スポーティに仕立てられた内装の品質は、高いところもあれば、そうでない部分も。インフォテインメント・システムは、スマートフォンとのミラーリングに対応する。

フロントシート側の空間は広く、リアシートは大人2名で問題なくくつろげる。荷室の形状はスクエアで、容量も充分。ロングドライブにもしっかり使える。

英国の中古車市場を確認すると、2018年式のR.S. 280なら2万3000ポンド(約416万円)前後で探せる。R.S. 300トロフィーには、2万5000ポンド(約452万円)程度が必要。カリカリのR.S. トロフィーRは、約5万ポンド(約900万円)で流通している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ピアソン

    Mark Pearson

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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