クルマ漬けの毎日から

2023.11.20

ロンドンでシトロエン・アミに試乗。現在、アミにはいくつかの課題があると感じました。

シトロエン・アミにロンドンで試乗【クロプリー編集長コラム】

もくじ

試乗前 高まる期待
求められる 性能アップと快適性

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

試乗前 高まる期待

私のロンドンでの住まいは(週の何日かはここに滞在)、ロンドンの排ガス規制「超低排出ゾーン」の内側にある。

また、渋滞税の対象区域のすぐ近くでもあり、さらに時速20mile(時速32km)制限の道路もあちこちに存在する。

こうした状況での短距離ドライブにもっとも適したクルマは、極めてコンパクトで純粋なEV、また非常に低価格でもあるシトロエン・アミではないだろうか?

そう考えて、アミを借りる手配をした。そして試乗を楽しみにしていた。

2022年にはフランスを訪ね、シトロエンCEOのヴァンサン・コベCEO氏(右)を取材。アミにも試乗した。

これまでにもアミを運転したことはあるが、集中して評価できない状況下での試乗だった。

一度は、コベントリーにあるステランティスの駐車場だったが、他のジャーナリストが試乗するアミにも注意を払わなければならなかった。また、フランスで撮影のためにアミを運転した時は、エッフェル塔の周辺を最高速の時速29mile(時速47km)で走らなければならなかった。

だが、アミというクルマ(正式には「クアドリサイクル」と呼ばれる原動機付き四輪車)は、じつに個性的で興味深く、また個人的にシトロエンのクレイジーなクルマが大好きだということも手伝って、アミへの期待は高まっていた。

求められる 性能アップと快適性

しかし、残念ながら私の期待は打ち砕かれた。

アミが短距離ドライブに向いているのは間違いない。だが、楽しさが欠けているのだ。

それに性能も十分ではないし、乗り心地も荒い。また、時速40mile(時速64km)の道路を走っていても、危険を感じる。

素晴らしいアイディアのもとにつくられているが、シティカーという目的に適したクルマであるためには、ルノー・トゥイージー(製造終了)のように、時速50mile(時速80km)の性能が必要である。それに、快適性の向上も求められる。

今回、ロンドンで試乗したアミ。

そうした改良が実行されれば、アミというクルマが変わってしまい、価格をはじめとする取引条件も変化することは理解できる。

しかし、現在イギリスの道路でアミを見かけることはめったにない(その理由は容易に理解できるが)。販売開始からすでに16か月が経過し、発売時に2000台もの発注があったと聞いているのに。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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