クルマ漬けの毎日から

2025.07.28

ベントレーの本拠地、英国のクルーに完成した新デザインスタジオを訪問。約50年前にこの地を初訪問した時のことを思い出しました。後半では、ベントレーの新コンセプトカー「EXP 15」についてもコメントします。

ベントレーの新デザインスタジオと50年前の思い出【クロプリー編集長コラム】

もくじ

新デザインスタジオ かつては本社
衝撃のコンセプトカー「EXP 15」

新デザインスタジオ かつては本社

ベントレーの新しいデザインスタジオを訪ね、素晴らしいひと時を過ごした。

85年にわたってベントレーの本社だったこの建屋は、26年かけて改装が行なわれ、デザインスタジオとして生まれ変わった。内装は手を加えながらも全体的に再利用されている。また屋上には、新たなデザインを自然光で確認できるオープンスペースも設けられた。

ケタ違いのラグジュアリーカーに未来はあるのだろうかと疑問に思っている人もいるかもしれないが、ここにその答えがある。

ベントレーの新デザインスタジオの屋上

私にとって特別だったのは、1976年に初めてここを訪れた時に通ったその廊下を久しぶりに歩いたことだ。当時、この建物にはロールスロイスの本社が置かれていた。

まだ故郷のオーストラリアに住んでいた私は、仕事でここを訪ね、当時ロールス・ロイスの経営トップを務めていたデビッド・プラストウ氏にインタビューした。ジャガーXJ12はロールス・ロイス・シルバーシャドウよりも静粛性が高いかといったことを、打ち解けた雰囲気のなかでプラストウ会長と話すことができた。

やがて取材が終わり、私は部屋を出た。廊下を歩いていると、このインタビューを設定してくれた私の担当者たちに向かって、大声で話すプラストウ会長の声が聞こえてきた。
「ああいうガサツなヤツは、もう私のところへ連れてこないでくれ!」私は面食らったが、おそらくあれは彼特有の軽い冗談だったのだろう。

衝撃のコンセプトカー「EXP 15」

いまクルマ好きのあいだでは、最近ベントレーが発表したコンセプトカー「EXP 15」と、昨年公開され、いまだ謎につつまれているジャガーのコンセプト「タイプ00」の比較が話題になっている。

確かにこの2台には、長いボンネット、ファストバックのスタイリング、超ラグジュアリー志向といった、いくつかの類似点がある。

ベントレーが2025年7月8日に発表したコンセプトカー「EXP 15」

しかし、この2台のコンセプトカーはライバル関係にあるという見方を、ベントレーの人たちは否定している。また、ベントレーが今回発表した「車高の高いセダン」が市販化されることはないという。

それにEXP 15はジャガーのコンセプトとはプロポーションが異なるし、またその目的は未来のセダンの全体像を探ることにある、とベントレーは説明する。EXP 15は3座で、3つのドアを持つ。室内には示唆に富むデジタル機能が装備され、人々の「移動」を進歩させるとともにシンプルにするという。

とはいえ、ベントレーはジャガーのコンセプトカーとの類似点が指摘されることは予想していただろう。それにデザイナーたちは、EXP 15に対する反応を楽しんでいるにちがいない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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