名門初のプラグインHV 4代目 ベントレー・コンチネンタルGT スピード(1) 歴代最強ハードを深掘り

公開 : 2025.07.09 19:05

ベントレー初のプラグインHVで歴代最強のコンチGT スピード 総合783psと101.8kg-m 電気だけで最長80km可 魅惑的で刺激的な車内 硬めの乗り心地でも格段に良い操縦性 UK編集部が評価

ベントレー初のプラグインHVで歴代最強

エキゾチック・グランドツアラーの英国代表の1台、ベントレー・コンチネンタルGTは進化を止めない。現行は4代目に当たるが、3代目でポルシェと共同開発されたプラットフォームや、エレガントなボディを磨き込み、一層の高みに到達している。

長年フロントノーズへ収まってきた、W型12気筒エンジンの生産終了が発表されたのは2023年。大変化が訪れることは、周知の事実といえた。かくして誕生したのが、同社初のプラグイン・ハイブリッド(HV)で、歴代最強の「スピード」だ。

ベントレー・コンチネンタルGT スピード(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スピード(英国仕様)

新しい電動アーキテクチャーを得ただけでなく、サスペンションも刷新。スタイリングやインテリアにも、手は加えられている。特にボディは、限定生産されたベントレー・バトゥールへ通じる要素が見て取れる。

ヘッドライトは、量産モデルでは1950年代以来となる、2灯構成に。アイラインのようなデイライトが、左右へ伸びる。テールライトは、よりスリムでワイドに改められた。スピードでは、ダークスモークに染められる。

総合783psと101.8kg-m 電気だけで最長80km

パワートレインは、ポルシェ・パナメーラ・ターボS E-ハイブリッドと共有する。4.0L V8ツインターボガソリンに電気モーターが組み合わされ、システム総合で783psと101.8kg-mを発揮。2基のターボは、モノスクロールを採用する。

190psと45.8kg-mを発揮する永久磁石同期モーターは、8速デュアルクラッチATとエンジンとの間に実装。荷室の床下へ積まれる、25.9kWhの駆動用バッテリーの電力で、最長80kmまでエンジンを回さず走行できる。

ベントレー・コンチネンタルGT スピード(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スピード(英国仕様)

ちなみに、ランボルギーニウルス SEも同じHVシステムを搭載する。前後の重量配分は、AUTOCARの計測では49:51。車重は、タンク内のガソリンが半分の状態で2462kgだった。W12エンジンの前世代より、180kgほど増えている。

シャシーでは、ツインチャンバー・アクティブ・エアサスペンションが新開発。ツインバルブ・アダプティブダンパーも新しい。トルクベクタリング機能付きのリアデフと四輪駆動システム、アクティブ・アンチロールバー、後輪操舵などは先代譲りとなる。

魅惑的で刺激的な雰囲気のインテリア

インテリアは、高性能さを実感させるデザインが、ハンドメイドによる贅沢さと融合。魅惑的で刺激的な雰囲気が醸し出されている。軽量化や本物への妥協は一切なく、それでいて過剰でもない。本当の別格とは、このことだろう。

包み込まれるような運転席周りのレイアウトは、基本的に3代目と同じ。レザーとウッドの選択肢は多様に用意され、コーディネートに数日は費やせる。筆者の好みは、オープンポア仕上げのコア・ウッドとダムソン・レザーだ。今のところ。

ベントレー・コンチネンタルGT スピード(英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スピード(英国仕様)

試乗車はファーストエディションで、ヒーターとベンチレーション機能も備わる、最上級のマッサージシートが組まれていた。背もたれにはエアクッションが備わり、疲れを軽減してくれる。大陸横断級の長距離でも、快適に過ごせるに違いない。

後席側の空間は、3代目と同等。中央に小物入れのある+2で、背の高い大人には若干窮屈かもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

4代目 ベントレー・コンチネンタルGT スピードの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事