アルピーヌA110初試乗 バランスは第一級 文句なしの★★★★★

公開 : 2017.12.12 12:10  更新 : 2021.05.13 12:00

「買い」か?

驚くほどに、特別 ★★★★★

今回アルピーヌは素晴らしい成果をあげた。A110は宝物である。有象無象のクルマが幅を利かせる中、宝石のようにきらりと光っている。

GT86、MX-5、4C、そしてロータス・エリーゼのセオリーを継承しつつ、それらの素晴らしいところを混ぜ合わせ、バランスが良く快適で俊敏でコントロール性が高く、魅力的で美しいクルマとなった。これは伝説となるクルマだと考えるのはわたしだけだろうか?

そして何といても、そう約5万ポンド(759万円)である。来年の初夏、右ハンドルのA110がやってくる時の為替レートにも依存するが。たしかに高価だが、1年間に数千台売れるとしたらもう少し安くなるかもしれない。

ポルシェ718ケイマンを手放してこいつを手に入れるか? これは難問だ。

ポルシェはもっと静かでギアボックスのレスポンスにも優れている。ケイマン、特にLSD付のものはミッドエンジン独特の自在なバランスを持っており、非常に魅力的なのはいうまでもない。

しかし ―このようなことを書くとは思っていなかったが― それでもA110にはアドバンテージがある。それは小さいイナーシャ、コンパクトなボディ、パッシブ・サスペンションによる自然な挙動、重心の低さと最適位置といったものであり、ゆえにA110はどんな価格であっても所有する価値のある、直観的な運転をすることのできる最高のクルマなのだ。

フェラーリ458スペチアーレ、マクラーレンP1、ポルシェ911GT3 RS4.0、アリエル・ノマドといったスポーツカーを運転すると、なにか画期的なクルマを運転しているのだと感じる。A110がもたらすのも同じ感覚だ。このクルマの開発をスタートしたルノーの勇気を念頭におかなくても。

おそらく、これはなにか大きなプロジェクトの始まりなのだろう。しかし、もしそうでないとしても、A110は本当に、驚くほどに、特別だ。5つ星を与える。

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