長期テスト アストン マーティン・ヴァンキッシュS(1)

公開 : 2018.02.06 18:45  更新 : 2018.02.07 16:14

3000万円のグランドツアラーと日々を共にできる? もちろん。それでも得るより失う方が多いのではって? ならば6カ月じっくり見てみましょう。アストン マーティン・ヴァンキッシュSの長期テストです。

もくじ

アストンとVH構造の蜜月
ミン・ブルーQの外観に垂涎
ヴァンキッシュS 走りの第一印象
テスト車について
追加した装備一覧
テストの記録

アストンとVH構造の蜜月

では、最後の古き良きアストン マーティンに乾杯! このVH(水平垂直)プラットフォームがDB9で初めて採用されたのは2004年。フォードのプレミア・オートモーティブ・グループ(PAG)の所属となって新しい路線の見通しが立ってきた頃だった。ほんとうに長い月日だった。

その間にやって来たのは、新しいヴァンテージ、独立、カリスマ社長ウルリッヒ・ベッツ(聞いたところではセグウェイでオフィス内を移動し、夜更けに空ぶかしなど決してしなかったという)、そしてレース。レースに次ぐレースだ。

いっぽうで、VHプラットフォームは少しずつ進歩してきた。裕福な世界的コングロマリットの後ろ盾を失ってからも(もっとも、もし適切に運営されていたなら、フォードPAGのポートフォリオは奇跡的なものになっただろうと思わずにいられない)、かつて大富豪の所有だった時のようにアストンは地道に進歩を続けた。

VHプラットフォームは修正/改善が加えられ、プラットフォームというより哲学的構造物とまで呼ばれたが、後々のモデルは歴史的建造物を維持するかのようでもあった。新経営者アンディ・パーマーはそこを変えようとしたのだ。

DB9は去り、DB11が取って代わった。新型ヴァンテージもつい最近デビューした。いっぽう、このヴァンキッシュはといえば、2019年までは生産されることになっている。

ただDB11の出現でやや影が薄くなったと考えたのだろう、最近になって多くの改良が加えられ、名前も新たにヴァンキッシュSとなった。VH系統の最後を飾る、守旧派の1台。自然吸気5.9ℓV12は600psまでスープアップされ、駆動系にも少しではあるが重要な変更が加えられてますます輝きを増した。細部の変更と改善は内装にも、そして今からお目にかかる外装にも及んでいる。

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