レアなRRロケット3台 サンビーム・インプ/ルノー8ゴルディーニ/NSUスプリンツ 前編

公開 : 2019.08.17 07:50  更新 : 2020.12.08 10:56

リアエンジンの小さなレーシングペディグリー。個性の濃さでは誰にも負けないであろう、サンビーム・インプ・スポーツとルノー8ゴルディーニ、NSUスプリンツ1200TTの3台を、英国で乗り比べしました。

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

もくじ

英国に残存するリアエンジン・リアドライブ
魔術師と呼ばれたアメデ・ゴルディーニの才能
英国初のRR量産モデル
控えめなルックスのNSUプリンツ1200TT

英国に残存するリアエンジン・リアドライブ

英国南西部のウィルトシャーターに個性的な絶滅危惧種3台が集合した。リアエンジン・レイアウトの家族向けサルーンは、第2次大戦後の欧州では人気のクルマだった。しかし、欧州経済が戦後の停滞期から復活をしていく中で、自動車の存在は生活必需品からエンターテイメントのツールへと変化。自動車の進化についていけず、とうの昔に生産は終了している。

今回の3台は、標準モデルへわずかに手を加えられたものから、グループ2のレギュレーションに合わせたものまで、チューニングの程度は幅がある。しかしどれもが、パフォーマンスの向上が図られた、リアエンジン・リアドライブの兄弟たちだ。

1965年、空冷式の996ccエンジンを搭載したプリンツ1000が、強く輝くヘッドライトの縁取りをまとって登場した。はじめに登場した高性能版は、54psのプリンツ1000TT。NSUのマン島TTレースでのバイクの活躍から名前を借りたかたちだった。1万4292台が売れ、その後66psの1200TTに交代している。1967年から1972年の間に4万9327台が販売されている。

さらにホットな83psを発生させる1200TTSも、2402台の極めて限られた数ながら作られた。このクルマはレースを前提にしたもので、1961年から1968年にかけて、NSUの29台のツーリンツカー選手権参戦に貢献している。

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