アルファ・ロメオ・ジュリア・ベローチェに試乗 輝く走り マイナーチェンジ

公開 : 2019.11.29 09:50

優れた操縦性を備える、ライバル・サルーンの急進的な進化に追いつくべく、インテリアを中心にアップデートを受けたジュリア。装備面でクラストップに並ぶことは難しくとも、走りの魅力は検討に値すると評価しています。

インテリア中心のマイナーチェンジ

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
アルファ・ロメオが計画していた2本柱、SUVのステルヴィオに先駆けて登場した4ドアサルーンのジュリア。アルファ・ロメオはドライビングファンなブランドだという、イメージの再形成に大きく貢献した。

しかし意図していたほど販売面での成功は得られていない。ダイナミクス性能で劣っていても、装備面で勝るライバルに並ぶことはできていないのが実情。

アルファ・ロメオ・ジュリア・ベローチェTi 280
アルファ・ロメオ・ジュリア・ベローチェTi 280

今回マイナーチェンジを受けたジュリアだが、報道用資料の筆頭に挙げられていたのがインフォテインメント・システムの改善。顧客や自動車評論家の意見がどんなものだったのか、伺い知れる。

モデル中期として必要となった技術面でのアップデートが施され、インテリアの組み立て品質や質感も高められている。すでに綺羅星の如く素晴らしい、ドライビングに関しては基本的に手が加えられていない。

ボディ回りでの変更は、大幅に選択できるオプションが増えているものの、デザイン的にはトリムグレードの見直し程度。シルバーのレタリングの大きさが変更され、ブラックトリムがスポーティな仕様のクルマに与えられている。

トリムグレード自体も、スーパー、スプリント、ルッソTiにベローチェと、4種類に簡素化。一部の市場向けに、社用車登録に特化したビジネス仕様が追加されている。

インフォテインメントをアップデート

エンジンのラインナップにも変更がない。2.0Lガソリンターボと2.2Lディーゼルターボが、数段階の馬力設定で用意される。今回の試乗車はベローチェTiで、最高出力280ps。リフレッシュされるジュリア・クアドリフォリオが2020年の夏に登場するまでは、最も強力なジュリアだ。

数多くの変更は、ほぼすべてがインテリアに施されている。特にセンターコンソール回りの変化が大きい。安っぽいプラスティック製パネルは強い光沢のあるものになり、インフォテインメント・システム用のロータリースイッチの質感もぐっと向上している。

アルファ・ロメオ・ジュリア・ベローチェTi 280
アルファ・ロメオ・ジュリア・ベローチェTi 280

プラスティック感が強かったシフトノブは、レザー巻きのものに交換。手のひらの中でプレミアム感が伝わってくる。ノブの付け根には赤・白・緑のイタリアン・トリコロールがあしらわれ、ブランドの伝統を静かに語る。

スマートフォンのワイヤレス充電機能もアームレスト下に用意された。センターコンソールの小物入れの容量自体も大きくなっている。

ダッシュボード中央の8.8インチモニターの大きさ自体は変わりないが、グラフィックスは新しくなり、テキスト自体も読みやすくなった。インターフェイス・デザインが見直され、モニターの面積を有効に活かしている。

メイン画面はウィジェット機能を選んでカスタマイズも可能。物理ボタンも残されているが、タッチ操作も可能となっている。一方でメーターパネルの変更点は少ない。

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