【アクティブな家族へ】トヨタ・カローラ・トレック(カローラ・クロス)へ英国試乗

公開 : 2020.06.11 10:20  更新 : 2021.01.28 16:58

カローラに、柔らかなオフロード・フレーバーが加えられたカローラ・トレック(カローラ・クロス)。クロスオーバー風ボディに充実した装備と実用性を備え、想像以上にドライビングが楽しめると、英国編集部は評価します。

自転車ブランドのトレック社とコラボ

text:Tom Morgan(トム・モーガン
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ファミリー層向けのステーションワゴンへ、トヨタ流にアクティブなライフスタイルという魅力を加えた、カローラ・トレック。日本では、カローラ・クロスという名称が予定されている。

学校への送り迎えや週末の買い物だけでなく、軽めのオフロード走行もたまには必要、という人向けのクルマだ。SUVというカテゴリーにこだわらずとも、多くのユーザーが該当することになるだろう。

トヨタ・カローラ・トレック 2.0ツーリング・スポーツ(カローラ・クロス/英国仕様)
トヨタ・カローラ・トレック 2.0ツーリング・スポーツ(カローラ・クロス/英国仕様)

この欧州でのトレックという名称は、アメリカの大手自転車ブランド、トレック(Trek)社との協力によるもの。トレックのマウンテンバイクのように、カローラ・ツーリングへもワイルドな見た目が与えられている。

前後のバンパーには、下回りを保護するスキッドプレートを装着。フェンダーアーチやサイドシル下部も、プラスティック製のカバーで覆われている。

かといって、本気のオフロード向けというより、かなりソフトなイメージに留まる。通常のカローラ・ツーリングとの見た目の違いは控え目だから、中には気付かない人もいるかもしれない。

車高は20mmほど持ち上げられている。フカフカの芝生で覆われた放牧地を走るのには、通常のカローラ・ツーリングよりは向いている。ハイブリッドのガソリンエンジンが送るパワーは、前輪のみに限られているけれど。

充実した標準装備と楽しめるドライビング

前輪駆動だから、トヨタ製ハイブリッドとして優れた経済性は変わらない。四輪駆動のフォルクスワーゲン・ゴルフ・オールトラックなどでは難しい、良好な燃費を叶えている。

カローラ・トレックは標準装備も充実。同価格帯で並ぶ、前輪駆動のフォード・フォーカス・アクティブより内容は良い。

トヨタ・カローラ・トレック 2.0ツーリング・スポーツ(カローラ・クロス/英国仕様)
トヨタ・カローラ・トレック 2.0ツーリング・スポーツ(カローラ・クロス/英国仕様)

フォードではオプションとなる、パワー・テールゲートにバックカメラ、前後のパーキングセンサー、アダプティブ・クルーズコントロールが、カローラ・トレックでは標準装備となる。

英国仕様のカローラ・トレックは、電気の力だけでの走行も可能。とても静かに、穏やかに運転できる。仮にガソリンエンジンが始動しても、今までのトヨタ製ハイブリッドより、気になりにくい洗練性も得ている。

一方で、アクセルペダルを少し踏み込むと、回転数が6200rpmまで時々急上昇するのは従来どおり。シフトパドルを用いれば、CVTをマニュアルのように操作もできる。だが、実際にエンジンが実際に頑張っている具合と、メーターパネルに表示される段数とは、一致しない感覚は残っている。

基本的には変速はCVTに任せ、EVとは異なる活発なパフォーマンスを楽しむ方が適しているようだ。

カローラ・トレックは、試乗車の2.0Lエンジン版でも、恐らくゴルフGTEほどは速くはないだろう。英国ではさらに穏やかな1.8L版も選べる。しかし、先代のオーリスでは体験できなかった、楽しいドライビングを味わえるのが強みでもある。

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