AUTOCARが望む、復活してほしい自動車メーカー(2) サーブとスバル協業復活

公開 : 2018.02.24 12:10

10年前、スバルがサーブ向けに最後の9-2Xを送りだしたことを知っているかたは、どれくらいいらっしゃるのでしょう。AUTOCARはサーブにしかできないオリジナリティあふれるデザインや内装を、スバルの力をもう一度借りることで復活させられないかと考えています。

text:Hilton Holloway(ヒルトン・ホロウェイ)

もくじ

かつてもあった2社の関係
サーブのよさはインテリアに
ルイス・ブースの見解:魔法が必要

かつてもあった2社の関係

10年前、スバルサーブ向けに最後の9-2Xを送りだしたあと、不運なサーブ-スバルの提携関係は解消された。2000年以降、サーブはGMの100%子会社であり、当時GMはスバルの株式も所有していたのだ。

2005年の発売が予定されていた新型9-5の開発計画がGMとフィアットの資本提携が解消された際にキャンセルされたため、新型モデルを欲しがる米国のサーブ・ディーラーの求めに応じて、GMはスバルに白羽の矢を立てた。

9-2Xは主に音振対策のためにベースとなったインプレッサよりも重くなっていたが、その走りはしなやかで、サーブ-スバルの次の計画である当時発売間近のスバル・トライベッカを下敷きにしたSUVモデルに期待を持たせるできだった。

サーブはこのサーバル(サーブ+スバル)とでも呼ぶべきSUVモデルの販売コンセプトまで作り上げたが、2005年初頭にGMがスバルの株式を売却したことで、計画自体が棚上げとなった。

確立した自動車メーカーというよりも、素晴らしいエンジニアリングのノウハウを持った企業として、サーブの消滅は大いに惜しまれる。素晴らしいできのシートと、最高に低く座らせるドライビング・ポジション、道路状況が悪くても矢のようにまっすぐ走る直進安定性や、実際の道路上における真の安全性といつでも必要な時に取りだせるパワーの組み合わせによって、長距離向けとして知られている大概のモデルよりも優れたグランドツアラーだった。

こういった美点はスバルに引き継がれており、スバルの新グローバル・プラットフォームは新世代サーブの素晴らしいベースとなるだろう。

この新しいプラットフォームを採用したクルマは米国と日本でこれまでテストされた車両のなかで最も安全との評価を受けている。長距離運転の快適性と直進性の良さは、スバル独自のプラットフォームによるフルタイム4輪駆動の特徴とも言えるが、こんな贅沢なつくりはレンジローバーほどの大きさのクルマ以外では珍しい。

スバルが誇る驚くほど滑らかで素直な2.5ℓ水平対向4気筒エンジンもまた、サーブの素晴らしいエンジンとなるだろう。

では、サーブの伝統をスバルの車体にどうやって活かすべきだろう?

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