幻の「アルファ155GTAストラダーレ」登場 ボナムス・パドーヴァ・オークション

公開 : 2018.11.19 06:10  更新 : 2018.11.19 11:29

’90年代のツーリングカー・レースを席巻したアルファ155GTAの「ストラダーレ・プロトタイプ」がオークションに登場。1994年のボローニャ・ショーで参考展示されましたが、その後はコレクターが所有していた個体です。しかし直前になって突然出品取下げに…。

text: Kazuhide Ueno(上野和秀) photo: BONHAMS

ライバルはM3? 190E 2.5-16?

ボナムス・パドーヴァ・オークションならではの出品車といえるのが、イタリア国内ツーリングカー選手権を席巻したアルファ・ロメオ155GTAに計画されたストラダーレのプロトタイプだ。

製作は実質アバルトのアルファ・コルセが担当したもので、パワートレインは155Q4をベースに、ランチア・デルタHFインテグラ―レのテクノロジーを注ぎ込んだグループNスペックを備える。ポジショニングとしてすでに成功を収めていたメルセデス・ベンツ190E 2.5-16やBMW M3の対抗馬を狙っていた。

その姿は大きく張り出したブリスターフェンダー、別体式の大型リアウイングとフロント・スポイラーが組み込まれたスカート、クイックフィラー風デザインのフューエル・フィラー、そして革装の豪華なインテリアトリムが識別ポイントになる。

こうして様々なテストが行われ、プロタイプはその後プロモーションも兼ねて1994年にアウトドローモ・モンツァで開かれたイタリアGPの際に、あのシド・ワトキンス氏が乗るドクターカーに使われたヒストリーを持つ。

同年12月のボローニャ・ショーで展示されたたが、結局試作だけでカタログモデルとはならず市販されなかった。当時のフィアットの首脳部は6気筒エンジンを積むことを望み、それよりも生産コストの高さから開発が中止され、ストラダーレ・プロトタイプはコレクターに放出されるのだった。

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