【最初にして孤高】BMW Z1 妥協を排した未来 市販されたコンセプトモデル

2019.12.07

100字サマリー

BMW Z1にスポットをあてます。ドアが開いたまま走ることができる姿に衝撃を受けた人もおおいでしょう。開発の背景を見つめるとともに、あらためてZ1がどんなクルマかを探ります。年々、評価が高まりつつあります。

もくじ

最初にして孤高のZモデル
エンジニアの理想がかたちに
評価が高まる、類稀な存在

最初にして孤高のZモデル

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)

モーターショーに出展される浮世離れしたスタイルの車輛は、コンセプトモデルと呼ばれている。

その役目は開発中のテクノロジーをお披露目することや顧客の反応を見たりするためのもの。

プロトタイプがテスト走行しているプレスフォト。亜鉛メッキのシャシーは生産型と違って軽め穴がない。リアオーバーハングを短く切り詰めるため燃料タンクはリアアクスルの真上にある。翼断面形状のマフラーでダウンフォースを得ようとする考えに驚愕。
プロトタイプがテスト走行しているプレスフォト。亜鉛メッキのシャシーは生産型と違って軽め穴がない。リアオーバーハングを短く切り詰めるため燃料タンクはリアアクスルの真上にある。翼断面形状のマフラーでダウンフォースを得ようとする考えに驚愕。

それらはしかし、実際に販売の予定がないからこそ、デザイナーやエンジニアたちが、一切の妥協を排して腕を振るった偉大な佳作でもある。

だが80年代の後半から90年代初めの、現代の眼から見れば「狂った時代」には、夢が現実となって市販されることもあった。

BMWのモデルは大雑把に区別すれば標準モデルかMモデルかに分けられる。だがそのどちらにも含まれない稀有な1台が1987年のフランクフルトショーで発表されている。

ドアを開けたまま走ることができる風変わりなロードスターはZ1と命名されていた。

開発を手掛けたのはBMWグループ内の技術開発部門、BMWテヒニーク社。彼らはグループ内でZT(Zukunft=未来、Technik=技術の意と思われる)と呼ばれていた。

つまりZ1という車名の頭文字は彼らの社内呼称にちなんだものであり、後のZ3やZ4とはオープン2シーターという形式的なつながりしか持たない実験的なモデルだったのである。

 
最新海外ニュース