伝説の自動車デザイナー、ガンディーニが手掛けた名作 50選(後編) 不運のスーパーカーからホットハッチまで

公開 : 2026.06.21 11:45

イタリア出身の著名な自動車デザイナー、マルチェロ・ガンディーニ氏が手掛けた作品は数知れず。今回はランボルギーニ、マセラティ、フィアットなど、有名なものからあまり知られていないものまで50台紹介します。

ジャガー・アスコット(1977年)

1970年代のガンディーニ氏は、明らかに直線美に魅了されていた。当時のデザインには曲線が一切見当たらないからだ。アスコットを例に挙げよう。外観だけでは、ジャガーXJ-Sがベースになっているとは到底想像できないだろう。

アスコットは5.3L V12エンジンを搭載し、ハッチバックの実用性を備え、ジャガーのモデルとは似ても似つかないスエード張りのインテリアを備えていた。

ジャガー・アスコット(1977年)
ジャガー・アスコット(1977年)

ランチア・シビロ(1978年)

2018年のジュネーブ・モーターショーに行った人なら、このコンセプトカーを目にしらだろう。今ではひどく時代遅れに見えるが、40年前に初公開された当時は驚くほど斬新なクルマだった。

シビロはランチア・ストラトスをベースに、同車の2.4L V6エンジンを搭載。ウェッジシェイプにリトラクタブルヘッドライトと、当時のトレンドを取り入れている。車内にはデジタルメーターが採用されていた。

ランチア・シビロ(1978年)
ランチア・シビロ(1978年)

ボルボ・ツンドラ(1979年)

1976年に発売された300シリーズは、保守的なボルボのイメージ通りのモデルだった。見た目は地味で、走りも平凡。スポーティさとは無縁だった。

ベルトーネは、343のデザインをアレンジすることでボルボへのアプローチを試みた。その結果生まれたのがツンドラだ。1.4Lエンジンと4速マニュアル・トランスミッションを搭載し、後輪を駆動する。ボルボの重役たちには響かず、1台限りで終わったが、ベルトーネは数年後、このデザインをシトロエンBXに流用して世に送り出すことになる。

ボルボ・ツンドラ(1979年)
ボルボ・ツンドラ(1979年)

ルノー5ターボ(1980年)

初代ルノー5のデザインは傑作だが、1980年頃には少々見慣れたものになり始めていた。そこで少し刺激を加えるため、ボディをパンプアップしたミドシップ仕様のターボモデルが構想された。

ガンディーニ氏は、オリジナルの5とはできるだけ共通点のないデザインを任された。パワートレインや足回りだけでなく、ほぼすべてのボディパネルが変更されたのだ。当初は5の販売促進を目的とするショーカーとして計画されたが、やがてラリー界のチャンピオンへと変貌を遂げた。1983年までのルノー5ターボの生産台数は1690台と、かなりの健闘ぶりを見せている。

ルノー5ターボ(1980年)
ルノー5ターボ(1980年)

その後登場した改良型のターボ2は、1986年までに3176台が生産された。

マツダ・ルーチェ/929/コスモ(1981年)

現存台数がどれほどあるのか気になるところだ。マツダのルーチェ/929/コスモ(画像はコスモ)は、ガンディーニ氏が1980年にフリーランスとなる前に、ベルトーネで手掛けた最後の作品だ。

依頼内容は、2種類の4ドア・セダン(従来型とスポーティな仕様)に加え、2ドア・クーペを考案するというものだった。デザインも十分に魅力的だが、最も興味深いのはメカニズムの方だ。ガソリンやディーゼルのレシプロエンジンに加え、ロータリーエンジンもラインナップしていたからだ。

マツダ・コスモ(1981年)
マツダ・コスモ(1981年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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