【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #19】1974年ポルシェ911カレラRSRターボ 2.14「917/10と917/30で得たノウハウを投入」

公開 : 2026.06.21 09:11

世界的な人気モデルとして支持され、サーキットでも数えきれぬ栄光の記録を刻んできたポルシェ。土日祝日の午前9時11分に公開する、そんなポルシェの足跡を膨大なアーカイブと共に振り返る連載です。#19は『1974年ポルシェ911カレラRSRターボ 2.14』です。

1974年ポルシェ911カレラRSRターボ 2.14

レースで圧倒的な強さを見せていた911カレラRSR 3.0だったが、これ以上のスケールアップとパワーアップは限界だった。そこで着目したのが、ターボチャージャーの存在。

ポルシェは、北米で行われていたグループ7マシンで競うCan-am(カンナム)シリーズ用に製作して王座を勝ち取った917/10と917/30で得たノウハウを、カレラRSRに投入したのである。

1974年ポルシェ911カレラRSRターボ 2.14
1974年ポルシェ911カレラRSRターボ 2.14    ポルシェ

FIAの規定ではターボ車の過給器係数を1.4と定めており、ポルシェは3リッター以下のクラスに適合する2142ccのエンジンを開発し、最大過給圧1.3~1.4barのKKK製のシングル・ターボチャージャーを装着。最高出力は500hpに達し、RSR 3.0の330hpに対して約1.5倍に達していた。この大パワーに対応するため、チタン製コンロッドや、917用のドライブシャフトが使用されている。

こうして誕生したカレラRSRターボ 2.14は、デビュー戦となった4月のモンツァ1000kmで名手ガイス・ファン・レネップとヘルベルト・ミューラーが駆り5位入賞を飾ったのを皮切りに、続くスパ1000kmでは3位入賞、ニュルブルクリンク1000kmではプロトタイプ・マシンに続く6位を獲得。

イモラ1000kmではギアボックス・トラブルでリタイアに終わるが、檜舞台といえるル・マン24時間レースでは、本領を発揮してトップを快走していたが、終盤にギアボックス・トラブルに見舞われる。それでもプロトタイプ・マシンに続く総合2位でフィニッシュする快挙を果たす。この活躍からターボチャージャーの可能性が立証され、911ターボや934、935誕生の礎となった。

●空冷水平対向6気筒SOHCターボ 2142cc ●500hp

(当連載は、基本的に土日祝日の午前9時11分に公開しています)

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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