【3つの懸念材料】輸入車の登録台数 前年比マイナスが、4か月も 2020年1月の販売分析

公開 : 2020.02.14 21:35

1月のインポートカー販売レポートです。4か月連続で、前年比マイナス。今後の動向には、3つの注意点が存在します。一方で、特別仕様車が高い人気。

1月 前年比7.7%減

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

日本自動車輸入組合(JAIA)がまとめた2020年1月期の外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比3.0%減の1万6799台と4か月連続で前年実績を下回る。

また、日本メーカーの輸入車を含めた統計でも、同7.7%減の2万9台と、4か月連続でのマイナスとなった。

好調のジープは、1月として過去最高の登録台数を記録。限定車が人気のインポーカー市場で、2月8日にはラングラー・ルビコン(2ドア)を100台発売する。
好調のジープは、1月として過去最高の登録台数を記録。限定車が人気のインポーカー市場で、2月8日にはラングラー・ルビコン(2ドア)を100台発売する。

1月期の輸入車市場の動きについてJAIA関係者は、「1月の外国メーカー車の新車販売は、BMWやBMWミニなど一部の主力ブランドの販売不振が響き、前年同月比3.0%減の1万6799台と前年割れに終わった。また、日本メーカー車は新型車効果が薄れたこともあって同26.1%減の3210台と4か月連続でマイナスとなり、輸入車全体では同7.7%減の2万9台と4か月連続で前年実績を下回った。消費税増税の影響も、少なからずあったようだ」と説明。

「ただし、フォルクスワーゲンアウディがプラスを回復し、またボルボやジープなど7ブランドが1月単月で過去最高を記録したことから、マイナス幅は1桁で収まった」と指摘する。

プラス/マイナス 今後の可能性

今後の見通しについては、「輸入車全体の受注状況は、新型車を中心に底堅く推移している。とくに、限定販売の特別仕様車の人気がかなり高いようだ。また、春に向けて販売を伸ばしそうなニューモデルが各ブランドから鋭意発表される予定なので、プラスに戻る可能性は十分にある」と分析。

「一方、消費税増税の本格的な波及はあるのか、中国の新型肝炎や英国のEU離脱がどれくらい市況に影響してくるのかなどは、注視していく必要がある」と、3つの注意点を示唆した。

1月に発売されたVWの最小SUV「Tクロス」。写真は特別仕様車の「Tクロス TSIファースト・プラス」。
1月に発売されたVWの最小SUV「Tクロス」。写真は特別仕様車の「Tクロス TSIファースト・プラス」。

外国メーカー車の1月期のブランド別成績では、メルセデス・ベンツが前年同月比5.1%減ながら4176台の新規登録を記録して59か月連続でのトップにつく。

続く第2位には、同0.3%増の2827台を達成したフォルクスワーゲンが1ランクアップで位置。前月第2位のBMWは、同22.1%減の1696台で第3位に陥落した。

キーは特別仕様モデル

また、アウディは前月と同位の第4位だったものの、前年が低水準だったこともあり、同47.2%の2桁増(1544台)を成し遂げた。なお、フォルクスワーゲンとBMWの間には、日本ブランドのトヨタ自動車が同8.7%増の1874台で割り込んでいる。

トップ4以外の外国メーカー車のブランド別成績では、精力的な新型車および特別仕様車の発売や販売キャンペーンの展開を行った中堅ブランドの健闘ぶりが目立った。

1月の東京オートサロンで発表されたロータス・エキシージ・スポーツ350 GPエディション。20台だけの特別限定車だ。
1月の東京オートサロンで発表されたロータスエキシージ・スポーツ350 GPエディション。20台だけの特別限定車だ。

ボルボが前年同月比12.1%増の1278台、ジープが同32.5%増の897台、プジョーが同0.9%増の679台、ランドローバーが同2.9%増の283台、シトロエンが同42.3%増の279台、DSが同61.9%増の68台を達成する。

また、スポーツカーブランドも好調を維持し、ポルシェが同6.2%増の411台、フェラーリが同55.2%増の90台、ランボルギーニが同213.0%増の72台、マクラーレンが同38.9%増の25台、ロータスが同100.0%増の22台、アストン マーティンが同66.7%増の20台を成し遂げた。

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