商用車の「スポーツカー仕様」登場 過激トラックと “超速” バン アメ車的DNAの2台

公開 : 2024.02.14 06:05

フォードの商用車部門から「ドライバビリティ」を追求したレンジャー(ピックアップトラック)とトランジット・カスタム(バン)が登場。エアロパーツ追加とパワートレイン強化によりスポーツカーのような仕上がりとなった。

2台の商用車にスポーティな「MS-RT」仕様設定

米国の自動車メーカーであるフォードは、商用車を専門に扱うサブブランド「Mスポーツ・ロード・テクノロジー(MS-RT)」に加わる2つの最新モデルを発表した。

中型ピックアップトラックのレンジャーと商用バンのトランジット・カスタムをベースに、レーシングカーのようなデザイン、積載能力の向上、高度なドライビング・エクスペリエンスを実現したという。いずれも今年半ばに納車開始予定だ。

レンジャーMS-RT(左)とトランジット・カスタムMS-RT(右)
レンジャーMS-RT(左)とトランジット・カスタムMS-RT(右)    フォード

第2世代のフォード・レンジャー(T6)にMS-RT仕様が設定されたのは今回が初めて。3.0L V6ディーゼルエンジンと8速ATを搭載し、最高出力240ps、最大トルク61.1kg-mを発生する。

デザインとしては、フロントエンドが刷新され、一体型スプリッターとハニカムグリルを備えている。フォードによると、このデザインはアジアのレーシング・トラックにインスパイアされたものだという。

その他、車高が下げられ、リアエンドにはディフューザー、ダックテールスポイラー、キャブスポイラーが追加された。

全幅は標準車より82mm拡大、トレッド幅も40mm拡大された。21インチのダイヤモンドカットホイールには275/45 R21タイヤが装着される。サスペンションも変更されている。

四輪駆動システムは標準車と同じ。スポーティな仕様にもかかわらず、1トンの最大積載能力と3.5トンの最大牽引能力は変わらない。

インテリアでは、サポート性の高いシート、動物性の素材を使用しない「エコレザー」、ブルーのステッチが使用される。デュアルゾーン・クライメート・コントロール、前後パーキングセンサー、アダプティブ・クルーズ・コントロール、リアビュー・カメラは標準装備となる。

実用性を犠牲にせずドライバビリティを追求

一方、商用バンのフォード・トランジット・カスタムでは、空力性能を高めるフロントバンパー、スポイラー、スポーティなサイドスカート、ディフューザーが採用されている。

トレッド幅は標準車より50mm拡大され、19インチのアルミホイールと235/45 R19のグッドイヤー・イーグル・スポーツ・タイヤを装着する。

フォード・トランジット・カスタムMS-RT
フォード・トランジット・カスタムMS-RT    フォード

パワートレインは複数設定されており、最高出力170psの2.0Lディーゼルエンジン車と、2.5Lガソリンエンジンに11.8kWhバッテリーを組み合わせた最高出力231psのPHEVがある。

バッテリーEVのEトランジット・カスタムMS-RTは、最高出力285psを発生し、モデル史上最も強力なバージョンとなっている。

トランジット・カスタムは全車6800Lの積載スペースを持ち、最大1124kgの積載が可能だ。

いずれも商用車としての実用性を維持しつつ、オンロードでのドライバビリティを追求した2台である。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事