レクサスLM 詳細データテスト 後席は快適至極 不足気味のパワートレインとシャシー 静粛性に盲点

公開 : 2024.02.24 20:25  更新 : 2024.03.17 10:33

いよいよ欧州へも進出するレクサスの高級ミニバンは、後席重視が明白な作りで、その点では目的通りの出来栄え。とはいえ、パワートレインやシャシーにもう少しゆとりがあれば、さらに快適なクルマとなりそうな予感もあります。

はじめに

長らくわれわれがトラディッショナルなプレミアムブランドのラインナップと見なすものを送り出し続けてきたレクサスが、新たな動きを見せた。

モデルの多様化、というのはマーケッターがよく口にするセリフだが、すでにSUVはフルラインナップと言える陣容で、しかも本流のサルーンを切り捨てようという動きもない。UXやNXといった売れ筋、はたまたEV専用車のRZまで投入した今、欧州プレミアム勢とはストレート一本勝負ではなく、ときには意表をつく変化球も必要だという考えには、大いに賛同できるところだ。

テスト車:レクサスLM350h AWDタクミ
テスト車:レクサスLM350h AWDタクミ    JACK HARRISON

少量販売・多利益モデルは今後、より大胆な動きを見せるだろう。今回のテスト案件が欧州市場に上陸したということは、それを如実に語っている。ラグジュアリー・ムーバーことLMはフルサイズの高級MPVで、自家充電式ハイブリッドを搭載。欧州でも非常にニッチな、VIP向けシャトルという市場に挑む。

リムジンの。もちろん後席での長距離移動に慣れたような御仁なら、気になるところだろう。果たしてこれが、古き佳きリムジンに代わるものとなり得るのか、そして、プライベートジェットでの移動にどこまで近づけるのか、と。

もっとも、日欧では初お目見えの新型車とはいえ、これが2代目であることはご存知だろう。この高級MPVの初代は2020年、中国や東南アジアで発売されている。いうまでもなく、先代トヨタアルファードの上級コンバート仕様だ。

しかしながら、聞く限りは単なるバッジエンジニアリング以上のものがあるという。ただクローム装飾をゴテゴテ施しただけのバンを想像したら、そういうものではないようだ。レクサスが提案する究極のラグジュアリーとはいかなるものか探っていこう。

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