マセラティ・ギブリ
公開 : 2014.07.26 15:32
人間工学に基づき理詰めでデザインされたようなドイツブランドのスポーツモデルも悪くないが、上質な本革シートに文字通り身を包みながら走るギブリからは、独特の世界観が伝わってくる。特にずば抜けた特徴があるわけでもないが、他のブランドでは感じられない満足感を得られるインテリアは魅力的だ。これをイタリアの粋や艶という抽象的な表現で終わらせたくはないのだが、適切な言葉が見つからないのも事実である。もしもギブリに触れて、その魅力を表すのにふさわしい言葉があれば、後学のために教えて欲しいとさえ思う。
これまでなら、多少粗い造りをして、それをイタリアンデザインの芸術性や伝統といった言い回しで美化したのかもしれないが、ギブリの質感の高さや作り込み、緻密さは、ドイツ車と並べても遜色はないほどに進化している。従来、アンチドイツ派向けのニッチブランドでしかなかったマセラティは、十分に比較検討できるライバルとしてのクオリティを手に入れたと評価できる。これは、最近注目されているキャデラックCTSにもいえることで、今、このEセグメントが俄然面白い。ドイツ御三家の切り崩しは容易いことでは無いかもしれないが、イメージだけでなく、純粋に走りだけで選んでも、ギブリは十分その遡上に上るモデルなのである。
ただし、トランスミッションが室内に大きく張り出す関係で、注目の右ハンドル仕様は足下が少々タイトで、極端にフットレストの位置が右側にオフセットしてしまっている。実にもったいない。この違和感は2日もすれば慣れるが、もしも左ハンドルに抵抗がなければ、そちらを選ぶ方がよりドライビングを楽しむうえで賢明だ。
(文・櫻井健一 写真・花村英典)
| マセラティ・ギブリ | マセラティ・ギブリS | |
| 価格 | 834.0万円 | 967.0万円 |
| 0-100km/h | 5.6秒 | 5.0秒 |
| 最高速度 | 263km/h | 285km/h |
| 公称燃費(欧州混合) | 10.4km/ℓ | 9.6km/ℓ |
| CO₂排出量 | 223g/km | 242g/km |
| 車両重量 | 1950kg | 1950kg |
| エンジン型式 | V6DOHCツインターボ,2979cc | V6DOHCツインターボ,2979cc |
| エンジン配置 | フロント縦置き | フロント縦置き |
| 駆動方式 | 後輪駆動 | 後輪駆動 |
| 最高出力 | 330ps/4750rpm | 410ps/5500rpm |
| 最大トルク | 51.0kg-m/1600rpm | 56.1kg-m/1650rpm |
| 圧縮比 | 9.7:1 | 9.7:1 |
| 変速機 | 8段A/T | 8段A/T |
| 馬力荷重比 | 169ps/t | 210ps/t |
| 比出力 | 111ps/ℓ | 138ps/ℓ |
| 全長 | 4970mm | 4970mm |
| 全幅 | 1945mm | 1945mm |
| 全高 | 1485mm | 1485mm |
| ホイールベース | 3000mm | 3000mm |
| 燃料タンク容量 | 80ℓ | 80ℓ |
| 荷室容量 | 500ℓ | 500ℓ |
| サスペンション(前) | ダブルウイッシュボーン | ダブルウイッシュボーン |
| サスペンション(後) | マルチリンクブレーキ | マルチリンクブレーキ |
| ブレーキ(前) | φ345mm Vディスク | φ360mm Vディスク |
| ブレーキ(後) | φ320mm Vディスク | φ350mm Vディスク |
| タイヤ(前) | 235/50ZR18 | 235/50ZR18 |
| タイヤ(後) | 235/50ZR18 | 275/45ZR18 |

