アウディTTオフロード・コンセプト & TTスポーツバック・コンセプト

公開 : 2014.12.10 23:50  更新 : 2017.05.29 18:15

リッターあたり約200psを発揮するために、ターボチャージャーを最新式のものに変え、結果的に最大ブースト圧は1.8barにおよぶとのこと。またガス流量を増やすためにシリンダー・ヘッドの設計が見直され、可変カムシャフトや2ステージ可変バルブ-リフト・システム、フューエル・インジェクションの設計もスポーツバック専用となる。

ギアボックスはパドル付きの6速S-トロニック・デュアル-クラッチATとなり、マルチ-プレート-クラッチ4WDシステムは前後重量配分の最適化を理由にリア・アクスル部に配される。

0-100km/hタイムはTTSよりも0.7秒速い3.9秒、最高速度は250km/hというのが、今のところの値だ。

TTオフロードと同様に、穏やかなペースでの試乗しか許されなかったがシートの低さはTTクーペ同様に好印象。ステアリングも垂直にセットされていることから、他の5ドア・レイアウトを採るクルマよりもスポーティな印象が強い。ただしこちらも上屋がかなり押し下げられているため、背の高いパッセンジャーが後部座席に座る際は頭を低めることになる。

しかし先ほども述べたようにTTオフロード/TTスポーツバック・コンセプトは、一般的なコンセプトカーに比べるとかなり完成度が高く、またこれからのTTレンジの向かう方向を明確に指し示している。

もし仮に私が投資家ならば、Q3との差別化が未だ曖昧であるにもかかわらず、TTオフロードの開発に資金を投じるとおもう。なぜなら同クラスの試金石であるレンジローバー・イヴォークとどんな戦いを繰り広げるのかを見てみたいし、また、すでに出来上がっているヒエラルキーの崩壊を心のどこかで楽しみにしているからなのかもしれない。

ただ同時にTTスポーツバックの魅惑的なルックスや動力性能も捨てがたい。A3よりも大胆かつスタイリッシュな出で立ちはメルセデス・ベンツCLAと熱い戦いを繰り広げるに違いない。

2台を楽しんだあと、悩めるルパート・シュタートラー会長の決断が待ち遠しくてならない。

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