歴代で1番「ハードコア」 アウディRS4 アバント 25イヤーズへ試乗 選ぶならイエロー? 驚くほどの洗練度

公開 : 2024.07.04 19:05

アウディの高性能ワゴン、RS4の誕生25周年を祝う特別仕様 従来以上にシリアスなシャシー 驚くほど洗練度も高い 470psのV6エンジンに落ち着いた操縦性 英国編集部が評価

RS4の25周年を記念 ベースはコンペティション

これまでも、アウディは巧みに特別仕様をリリースしてきた。モデルチェンジが目前に迫った現世代のA4やA6にも、アウディ・スポーツが深く関わった記念版が発売されて当然といえる。

2023年には、限定でRS4とRS5にコンペティションを設定。2024年には、RS6やRS7にパフォーマンスが用意された。また、RS6にはGTが控えている。しかし、まだアウディの気持ちは収まらないらしい。

アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズ(欧州仕様)
アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズ(欧州仕様)

最新版として、RS4にはエディション25イヤーズが、RS5にはパフォーマンス・エディションが登場した。今回試乗したのは前者だが、名前通りRS4の誕生25周年を記念した特別仕様となる。

2000年に発表された初代RS4は、イエローのボディカラーで記憶付けられた読者も多いと思う。それに習って、最新版にもイモラ・イエローが用意されている。

ちょっと鮮やかすぎるとお感じなら、グレーやブラックも選べる。だがここは、思い切って眩しい色を選びたいところ。生産は250台の限定で、グレートブリテン島には50台が割り当てられる。

ベースとなっているのは、RS4 コンペティション。KW社製の車高調整式コイルオーバー・サスペンションには手が加えられ、2.9L V6ツインターボエンジンは、20ps増しの470psへ増強された。

従来以上にシリアスなシャシー 驚くほど洗練

サスペンションは従来以上にシリアス。通常のRS4より車高は10mm低く、オーナーの好みでさらに10mm落とすことも可能。ダンパーはアダプティブではなく、減衰力はコンペティションよりハードに調整されている。

他にも、フロント・コントロールアームは高剛性化され、ネガティブキャンバーは2度プラス。リアのサブフレームは、ラバーマウントを介さず、直接モノコック構造へ固定されているという。

アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズ(欧州仕様)
アウディRS4 アバント・エディション25イヤーズ(欧州仕様)

凛々しい20インチ・ホイールは、コンペティションとデザインが似ているが、仕上げとインセット値が異なる。タイヤはこれまでより外側で踏ん張り、フェンダーラインとのツライチ感が増している。

公道へ出てみると、確かに乗り心地は硬い。しかし、扁平率30と極薄なタイヤを履いている割には、アスファルトの不整を巧みに吸収。鋭い入力も、角が丸められていた。そもそもBMW M3 ツーリングでも、コンフォートモードが快適だとはいいにくかった。

サブフレームのラバーマウントがなくなったことで、路面のザラつきがキャビンへ伝わってくる。だが、その構造から想像するほど酷いわけではなかった。過去最もハードコアなA4 アバントといえるが、走りは驚くほど洗練されてもいる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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