メルセデス-マイバッハS600

公開 : 2015.01.15 23:55  更新 : 2017.05.13 12:50

■どんな感じ?

標準的なSクラスに対して120kgほど重くなり、全長も拡大されたボディを持つが、いままでSクラスに与えられた5つ星のロード・テストの評価をわずかに鈍らせるだけのものでしかない。Sクラスのキーとなる特質はすべて引き継がれている。予想通りの操縦が可能で、ロールも良くコントロールされている。また、乗り心地は素晴らしく改良されている。

面白いことに、モードを “スポーツ・モード” に切り替えることは可能だが、このボタンはあまり使われることはないだろう。

6.0ℓのV12エンジンが英国では唯一のエンジンであるが、そのパワー・デリバリーのスムーズさは特筆すべきもの。1900rpmからの加速はシルキーそのもので、2335kgのボディ重量を感じさせない。

また、7速ギアボックスの変速ショックはかろうじて認識ができる程度でしかない。

クワッド・エグゾースト・パイプが備えられ、V12のレタリングがフロント・フェンダーに取り付けられているものの、そのV12エンジンのサウンドは決してキャビン内部には到達することはない。メルセデスはマイバッハを世界で最も静かな量産型セダンとコメントしているが、それは正しいようだ。

キャビンのスタイルとクオリティに関しては主観的な評価ではあるだろうが、ライバル・モデルに引けをとるようなものではないことは確かである。特に、そのリア・シートの居住性と快適性が特別であることに間違いはない。また、シートからセットできるあらゆるエンターテイメント・システムについても、価格が2倍以上するモデルと引けをとらないものだった。

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