ロータスの “エスプリ” 受け継ぐ新型スポーツカー 1000馬力で「カーボンむき出し」大胆EV、市販化の予定は

公開 : 2024.09.18 18:05

ロータスが新型EVコンセプト「セオリー1」を公開した。3人乗りの電動スポーツカーで、次世代の市販車デザインや技術を予告するものとされる。だが市販化には疑問も残る……。

エスプリの理念を継承

英国のロータスが9月17日、新型のEVコンセプト「セオリー1(Theory 1)」を公開した。3人乗りの電動スポーツカーで、かつてのエスプリを彷彿とさせるデザインは2026年に発売予定のEVに引き継がれる可能性が高い。

軽量カーボンファイバー製シャシーに2基の電気モーターと70kWhバッテリーを搭載し、最高出力1000psを発生。0-100km/h加速は2.5秒以下、最高速度は320km/hと謳われている。

ロータス・セオリー1コンセプト
ロータス・セオリー1コンセプト    ロータス

ロータスのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)であるベン・ペイン氏は、「エスプリが発売されたとき、それは未来主義を大胆に表現したものでした。我々はそのイデオロギーを受け継ぎ、今日における意味を解き明かそうとしています」と語った。

セオリー1はあくまでコンセプトカーであり、ロータスの伝統的な「E」で始まる名称が与えられていないのはそのためだ。しかし、ペイン氏はセオリー1の技術的特徴の約85%は生産可能であると述べ、市販化につながる可能性を示唆した。

「一般の反響を測るためにこのようなものを作りました。一部の要素は他のモデルやパーツにすぐに反映され、多くのことに影響を与えるでしょう」

エアロ重視の流麗なシルエット

セオリー1で見られるデザインやアイデア、技術は、ロータスの次世代モデルに対するビジョンを示すものだ。

「ハイパフォーマンスではありますが、究極の形態というわけではありません。素晴らしいクルマとユーザー・エクスペリエンスを両立させたものであり、当社のコアブランドをEVの高性能モデルに直接反映させることができます」とペイン氏。

ロータス・セオリー1コンセプト
ロータス・セオリー1コンセプト    ロータス

ロータスは新しいデザイン・マニフェストとして「DNA」を掲げている。デジタル(Digital)、ナチュラル(Natural)、アナログ(Analogue)の頭文字をとったものだ。インテリジェント・テクノロジーとパフォーマンス・エンジニアリングを使用し、ドライバーに焦点を当てた車両開発を基本としているという。

セオリー1は特注のプラットフォームをベースに開発された。ボディサイズは全長4490mm、全高1140mm、全幅2000mm、ホイールベース2650mm。車両重量は1600kgとされる。

英国のデザイン部門とエンジニアリング部門が緊密に協力し、「見た目の美しさと機能性をバランスよく作り上げる」ことに努めたとペイン氏は言う。

開発エンジニアのフィル・ホール氏は、「構造、サスペンション、エアロダイナミクスという点では、シングルシーターのレーシングカーのような構造を持ちます。その上に素敵なドレスアップが施され、日常のロードカーとして親しみやすいものになっています」と語る。

フロントエンドにはディフューザーとエアディフレクターが装備され、エアカーテンを作って後流を低減する。サイド下部と連動し、空気抵抗を低減しながら冷却システムに空気を導き、リアウイングで最適なダウンフォースを生むとのこと。

エアロダイナミクスだけでなく、スタイルにも重点を置く。特筆すべきは、駆動系の多くが外部から見えるようにデザインされていることだ。ペイン氏によれば、これは「メカニカル面とデザイン面の両方を透かして見ることができる」ようにするためだという。

記事に関わった人々

  • ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    英国編集部ライター
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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