ルノーが1970年代風「2ドア・クーペ」発表 レトロな軽量スポーツカー、270馬力のモーター搭載

公開 : 2024.09.05 19:45

ルノーが新型のEVコンセプト「R17エレクトリック・レストモッド」を公開した。1971年に発売されたルノー17にインスパイアされたレトロなデザインが特徴で、市販化の可能性もゼロではない。

旧型ルノー17のデザインを踏襲

フランスのルノーは、新型のEVコンセプト「R17エレクトリック・レストモッド」を公開した。レトロなデザインを採用した2ドア・クーペだが、市販化計画についてはまだ定かではない。

1970年代に生産されていたルノー17のデザイン要素と現代の技術を融合させたコンセプトカーで、フランス人デザイナーのオラ・イト(Ora Ito)氏との協業により開発された。

ルノー「R17エレクトリック・レストモッド」コンセプト
ルノー「R17エレクトリック・レストモッド」コンセプト    ルノー

ルノー17は、セダンのルノー12をベースにした同社初の前輪駆動(FF)クーペとして1971年に発売された。

オリジナルモデルでは排気量1605ccのガソリンエンジンを搭載しているが、今回のR17エレクトリック・レストモッドは、リアアクスルに最高出力270psの電気モーターを搭載する後輪駆動のEVとなった。

このモーターは、ルノーが2027年から導入する高性能モーター「e-PT-200kW」と密接な関係があると考えられている。

R17エレクトリック・レストモッドの性能は未公表だが、オリジナルのガソリン車を大きく上回るとされている。ルノー17は新車当時の『AUTOCAR』誌のテストで0-97km/h加速13.2秒を記録した。

一方、カーボンファイバー製シャシーの採用により、車両重量はわずか1400kgに抑えられているという。これはロータスエミーラよりも軽い。

プレリュードのように復活なるか

全体的なデザインはオリジナルを忠実に踏襲したもので、こうしたレトロフューチャーな路線は最近発表されたオペル・マンタやヒョンデ・ポニーのリメイク版と似ている。

オラ・イト氏はデザインを担当するにあたって、「オリジナルのクラシカルな魅力と現代の技術や素材」を融合させることを目指した。

ルノー「R17エレクトリック・レストモッド」コンセプト
ルノー「R17エレクトリック・レストモッド」コンセプト    ルノー

そのため、キャビン、ドア、窓、シール、アンダーボディはオリジナルと同じだが、全高は低く、全幅は「路上追従性を向上させるため」に170mm拡大されている。

ルノー17のトレードマークである4灯式の円形ヘッドライトは、長方形のスリムなスリットとなり、1970年代のフランス車の伝統に従って黄色に着色された。

インテリアはブラウンとベージュで仕上げられ、ダッシュボード上の4分割ハウジングに各スクリーンが収められている。

R17エレクトリック・レストモッドは、来月開幕するパリ・モーターショーで一般公開される予定だ。

ルノーは市販化の計画について言及していないが、過去3年間に公開された同様のEVコンセプトカー(4、5、トゥインゴ)は、すべて市販車として導入が決まっている。

しかし、都市志向でエコノミーに特化したこれらのモデルとは異なり、スポーティな2ドア・クーペへの需要はそれほど高くないように思われる。

不人気だった2ドアのラグナが廃止された2015年以来、ルノーは同様のクーペモデルを販売していない。

しかし、ホンダがプレリュードをシビックベースのハイブリッド・クーペとして復活させ、トヨタも同様のコンセプトでセリカ復活の計画をほのめかしていることから、クーペに再び注目が集まっているのは確かなようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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