ダイハツ・ムーヴ・カスタムRS”ハイパーSA”

公開 : 2015.01.19 23:50  更新 : 2022.12.12 21:30

  • ムーヴ・カスタムRSハイパーSA

■どんなクルマ?

日本の独自規格の “軽自動車” は、新車販売の4割を超え、さらに増えつつある。”ガラ軽” が猛威をふるっている。2015年のベストセラー候補たる6代目ムーヴは、それゆえ、登録車からの乗り換え、ダイハツいうところの “ダウンサイザー” の取り込みを図った。軽の非購買層を聞き取り調査し、”走行性能” に難ありという意見が33%占めたことに注目、基本性能の進化に取り組んだ。

技術の中核は、20kgの軽量化を達成した軽量高剛性ボディである。0.65㎜から1.0㎜にボディ外板の厚さを上げることで全体の剛性を上げ、従来必要としていた補強材を省略した。”Dモノコック” と名づけられたこのボディ構造は、今後他車種にも展開する。軽くなった分を足まわりの支持剛性アップの補強板に使い、フラットで快適な乗り心地の実現を図った。さらに、ステアリングの支持剛性を従来比2倍に高め、ステアリングやペダル・レイアウト、シート構造も見直している。基本にマジメに取り組んでいる。マジメ以上に大切なことはない、ということは改めて申し上げるまでもない。

車種構成は従来通り、ムーヴとムーヴ・カスタムの2本立てながら、今回初めてカスタムありきでデザインが検討された。カスタムには “圧倒的存在感” を狙って “ハイパー” という新グレードが設けられた。ダークメッキのグリルにLEDのイルミネーションを組み合わせ、ナントカ戦隊ナントカジャーの巨大ロボット的大迫力の顔をつくりあげている。これも、”ダウンサイザー” にアピールするためなのだそうだ。フツウの人々の日常がオタク文化に染まっていることを考えれば、ナントカ戦隊の巨大ロボット風こそ日常であるのかもしれない……。残念なのは日本の法規により昼間はLEDを煌々と光らせられないことだ。リアの縦型コンビネーション・ランプは、レクサスよりデカいそうである。

パワートレインはおなじみの660cc3気筒NAと同ターボで、ギヤボックスはCVTのみ。駆動方式はすべてのグレードにFFと4WDが用意されている。NA車はすべて、JC08で31.0㎞/ℓという低燃費を誇る。特に燃費スペシャルは設けていない。価格は113.4万円から179.28万円。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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