ダッシュボードはラジカセ風! モビライズ・デュオへ試乗 航続160km クラス最有力の選択肢に?

公開 : 2024.12.17 19:05

ダッシュボードはポップなデザイン 装備は充実

インテリアは、馴染みやすさや使い勝手を考え、あえてシンプル&ベーシックにデザインされた。ダッシュボード上のボタンは、8つだけ。グループ分けされ、覚えやすい。ステアリングホイールやレバーなどはルノー製で、見慣れた印象がある。

正面にはメーター用の小さなモニターがあり、スピードやバッテリー残量などを確認できる。その隣には、スマートフォンのフォルダー。ナビや音楽プレイヤーとしての利用が、想定されている。

モビライズ・デュオ・リード(欧州仕様)
モビライズ・デュオ・リード(欧州仕様)

ダッシュボードは、1980年代のラジカセから着想を得たという、ポップなデザイン。着座位置は高めで、視界は良好。フロントピラーが太く、意外と死角は大きいが。シートは座り心地が良いものの、横方向のサポート性は低い。

後席側は、大人では足の置き場に困る広さ。高さ方向には、充分な余地はある。荷室容量は300L。運転席の両脇にも、カバンを置くのに充分な空間がある。ピザの配達など荷物の運搬を想定し、後席を649Lのコンテナへ置換することも可能だ。

内装にはプラスティックが溢れ、上質感はない。だが水洗いでき、フロア部分に排水ドレインがある。サイドウインドウは開くものの、全開にはならない。オプションのエアコンは、前向きに検討したい。

それ以外の装備は悪くない。キーレスエントリーに、ブルートゥース対応スピーカー、シートヒーター、USB-Cポートなどが標準。ステアリングホイールにも、熱線が入る。

フルアクセルで流れに乗れる 重めのステアリング

市街地へ飛び込んでみる。0-48km/h加速に10.0秒近く必要だが、急ぐドライバーが多いロンドンでも、フルアクセルで流れに乗れる。小さなボディはプラスティック製パネルだから、スピード感は実際以上。30km/hでも60km/h位に感じる。

登り坂では少し息苦しそうだが、ほぼ実用に不満なし。加速は滑らかで、最高速度付近ではリアに載る駆動用モーターからノイズが響くものの、我慢するほどではない。ロードノイズや風切り音は大きめで、疲れを誘うかも。

モビライズ・デュオ・リード(欧州仕様)
モビライズ・デュオ・リード(欧州仕様)

発進時の加速は鋭い。徐々に勢いは落ちるが、一度速度が乗れば電気の消費は抑えられるから、バッテリーを効率的に利用できる。

ブレーキペダルの感触は、踏み初めで薄い。だが力を込めていくと、重さと制動力が一致していく。

短いサスペンション・スプリングで、姿勢制御は比較的タイト。積極的に交差点を曲がると、グリップ力は限界を迎え、アンダーステアに転じる。とはいえ、日常的な速度域ならしっかり路面を掴む。

ステアリングは重め。もう少し漸進的で、直感的でもいい。反応は機敏ながら、深く切り込んでいくと不自然に重さが増す。Uターン時は、ある程度の力がいる。最小回転直径は6.8mだ。

乗り心地は硬め。短いホイールベースもあって、石畳や舗装の継ぎ目を越えると、鋭い揺れが伝わってくる。シャシーが、ブルブル震えることはないが。小柄なサイズとクイックに反応するステアリングを活かし、凹凸は簡単に避けられる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    役職:ソーシャルメディア・エグゼクティブ
    AUTOCARのSNS担当として、X、YouTubeショート、インスタグラムなどの運営を任されている。以前は新聞紙や雑誌に寄稿し、クルマへの熱い思いを書き綴っていた。現在も新車レビューの執筆を行っている。得意分野はEVや中古車のほか、『E』で始まるBMWなど。これまで運転した中で最高のクルマは、フォルクスワーゲンUp! GTI。 『鼻ぺちゃ』で間抜けなクルマだったが、家族の愛犬もそうだった。愛さずにはいられないだろう。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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