【今年秋から360人がお引越し】トヨタがウーブンシティのフェーズ1を竣工

公開 : 2025.01.23 07:05

前例のない『住めるテストコース』

『まちづくり』はオープンであるのに対して、『テストコース』はクローズドである。当初の発表を受けて、裾野市は前者だと捉えたようだが、実際は後者だったというわけだ。トヨタも一連の経緯を重視してか、その後は『街』や『都市』という言葉は使わず、『モビリティのテストコース』と説明するようになった。

作り手がそのように位置付けているのだから、トヨタがまちづくりに乗り出すわけではないし、全国各所に展開することもないと考えるのが自然だろう。

富士山が目の前。穏やかな気候も魅力。
富士山が目の前。穏やかな気候も魅力。    トヨタ

付け加えれば、私有地に開設されるテストコースなので、一般的な都市とは違う独自のルールが適用される可能性もある。たとえば施設内の様子を気軽にSNSにアップできるようでは、機密情報がダダ漏れになってしまうからだ。

さらにインベンターズのうち、日清食品では『最適化栄養食』の有効性実証、増進会では最新テクノロジーを活かした保育施設の開園などを予定している。実証実験では、そこに関わる人もテストの対象になることは覚えておいていただきたい。

とはいえ『住めるテストコース』は、僕が記憶する限り前例のない取り組みであり、関係者が暮らしはじめる今年秋以降、どのようなシーンになるかは興味がある。もちろん公表できない部分があるのは承知しているが、可能な限り多くの人が多くの場所を見ることができる環境にしていただきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。

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