高価な「ヤリス・クロス」じゃない! レクサスLBX 長期テスト(最終) ハンサムで丁度いいサイズ

公開 : 2025.01.26 09:45

レクサス最小のクロスオーバー、ブレークスルーを掲げたLBXが英国上陸 BEV仕様なしでも欧州でのシェア拡大は可能か? ヤリスクロスとの差別化は? 英編集部が魅力を掘り下げる

積算1万1123km ハンサムで丁度いいサイズ

この長期テストが終わりに近づいた頃、高速道路で別のレクサスLBXを追い越す機会があった。ボディカラーは、偶然にも同じ。レクサスがブレークスルーを掲げるクロスオーバーだが、数か月の間に目撃できたのは、その1台だけだった。

自分で運転していると、走っている姿は眺められない。デザインや路上での存在感などを、改めて考える機会になった。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザイン(英国仕様)

ボディの見た目は、間違いなく良いと思う。第一印象からそうだった。バランスに優れていて、ハンサムにまとまっている。ウインドウのボトムラインが、リアピラーでキックアップする処理は珍しくないが、やりすぎな部分はない。

近年は多くのモデルの大型化が進んでいる。自分はボルボV90を愛用しているが、子どもが小さい家庭や都心部に住む人にとって、LBXのサイズ感は丁度いい。アウディQ2より全長は僅かに短く、4190mmが与えられている。

SUVを好きかどうかは別として、目線が少し高めで、高速道路でトラックやバスから受ける圧迫感は小さい。360度見渡せるアラウンドビュー機能は備わらなくても、バックカメラとセンサーが装備され、この大きさなら不満はなかった。

1825mmの全幅は、ロンドンの中心部でも駐車しやすい。狭い場所でもドアを充分に開けられる。小さな子供を、チャイルドシートへ座らせるのも楽だった。

プレミアムな内装 もう少しパワフルでも良い

レザーが多用されたインテリアも好印象。適度にプレミアムで、荷室が広く、機能的にも悪くない。ブラックの面積が多く、少し圧迫感があったものの、大人3名+チャイルドシートの構成でも快適。普段使いで気になる部分は殆どなかった。

不満を上げるなら、運転支援システムの切り替え。乗るたびに自動的にオンになり、毎回タッチモニターでメニューを辿り、望まない機能をオフにするのが手間といえた。

レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザインと、レクサスNX
レクサスLBX ハイブリッドFWD プレミアムプラス・デザインと、レクサスNX

アップル・カープレイと、レクサス標準のインフォテインメント・システムの切り替えも、少し面倒。もっとスムーズでいいだろう。

フロントガラスのワイパーは、雨の量に見合ったスピードで動かないことがしばしば。これはLBXに限ったことではなく、以前から多くのモデルで悩んでいること。些細なことかもしれないが、筆者は割りと気になってしまう。

1.5L 3気筒ハイブリッドのパワートレインは、市街地をゆったり走るぶんには静かで上質。しかし、交差点から速めの流れへ合流するような場面では、力不足を感じることもあった。

充分な勢いを得るには、4000rpm以上まで回すことが必要。e-CVTを介するが、ノイズも小さくない。

とはいえ、それ以外はシームレスでサイレント。高速道路でも、流れに乗っている限り安楽といえた。燃費も素晴らしく、長期テストでの平均値は21.2km/L。風切り音も、最近は気にならない音量だと思えていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    レイチェル・バージェス

    Rachel Burgess

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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