【暖冬でも増すスタッドレスの重要性】横浜ゴム・アイスガード7、歴代最高の氷上パフォーマンスと安心感は健在!

公開 : 2025.02.04 06:05

BEVの重量増にもしっかり対応

BMW X1とBEVのiX1を使用した比較は興味深いものだった。開発チームとしてはiG70がデビューした当時より普及してきたBEVに対してもしっかりと対応できていることをアピールする狙いがあるようだ。

X1の車重が1.8トンほどであるのに対しiX1は2トンちょうどくらい。だが重量配分はiX1の方がBMWらしい50:50。しかも走行用バッテリーを床下に搭載する低重心ということもあって、圧雪路のコースで走り比べてみると意外なことにICEよりもコントローラブルだった。

普通車用として2021年に登場したiG70(右)に対し、SUV用として2016年に登場したG075(左)。
普通車用として2021年に登場したiG70(右)に対し、SUV用として2016年に登場したG075(左)。    横浜ゴム

200kgの重さは制動時の最後で違いとなって現れるが、それでも氷とか雪をしっかりと掴む感触は頼もしく感じられた。また恐らく、ICEのX1に5名フル乗車したときも200kgほどのプラスになるはずだが、そういった場合でも安心感の高い走りをしてくれそうな実感があった。

一方2023年秋にはアイスガードG075へ、今シーズンからインチアップしたハイエースに最適な215/65R16Cというサイズが追加され、その試乗車に乗ることもできた。ハイエースも荷物の有無で車重や前後の重量バランスが変わりそうなモデルだが、G075は215とは思えないほどのトレッドの広さ、グリップの高さを感じさせてくれたのだった。

使い方で選べる2種のスタッドレス

RAV4で試したiG70とG075の比較は屋内の氷盤試験場と屋外のスラロームで行われた。普通車用として2021年に登場したiG70に対し、SUV用として2016年に登場したG075。特性の違う両者だが同じサイズ設定があり、目的に合わせて選ぶことができる。

両者のトレッドを見ると、斜め方向の溝が多くきめ細かなiG70に対しG075は左右対称のざっくりとしたパターンになっていた。氷の上で効きそうなのはiG70の方だ。

RAV4で試したiG70とG075の比較は、屋内の氷盤試験場と屋外のスラロームで行われた。
RAV4で試したiG70とG075の比較は、屋内の氷盤試験場と屋外のスラロームで行われた。    横浜ゴム

氷盤路における制動では思ったより差がなかったが、氷盤で旋回させてみるとスロットルやステアリング操作に対するiG70の追従性の高さは際立っていた。G075は滑り出すとなかなかコントロール下に戻ってこないのだ。

ではG075はどんなシチュエーションに向くのか? その答えは雪上にあった。SUV用というと高重心でもヨレないイメージがあるが、実際に車体の重さがトレッドを路面に押し付ける感覚がしっかりと伝わってきて頼もしい。G075の方が溝が深く、雪柱せん断力が強い。だから都市部の降雪や、ウインタースポーツをしに山間に入っていくような使い方、そしてドライ路面におけるしっかり感も含めるとG075も選択肢に成り得るのだ。

4シーズン目を迎え横浜ゴムのiG70だが、シチュエーションを選ばない安心感の高さは健在だったのである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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