ライトの位置が特徴的 約460万円の電動SUV「キアEV2」コンセプト公開 2026年欧州発売

公開 : 2025.03.04 06:45

キアは欧州市場向けのコンパクト電動SUV「EV2」のコンセプトモデルを公開した。来年3万ユーロ(約465万円)前後から発売予定で、新しいデザイン哲学に沿った個性的なスタイリングとなっている。

欧州向けの手頃な量産EV

キア(起亜)は2月27日、新型のコンセプトモデル「EV2」を公開した。ブランド最小かつ最安価のEVとして、来年欧州市場で発売される予定である。

小型の電動SUVで、目標価格は3万ユーロ(約465万円)程度から。ルノー5やルノー4オペルコルサ・エレクトリックのライバルとして位置づけられる。

キアEV2コンセプト。低い位置に配置されたリアライトは、新しいブランドデザインの特徴だ。
キアEV2コンセプト。低い位置に配置されたリアライトは、新しいブランドデザインの特徴だ。    キア

仕様詳細はまだ明らかになっていないが、EV2はヒョンデ・グループのE-GMPアーキテクチャーのエントリーレベルである400Vバージョンを使用すると見られている。このアーキテクチャーは、キアEV3およびEV4にも採用されている。

したがって、最高出力204psのモーターと58.3kWhまたは81.4kWhのバッテリーを組み合わせた数種類のパワートレインを展開することになるだろう。EV3では、同じ仕様で435~600kmの航続距離を実現している。

しかし、下位モデルというポジションやサイズから、EV2では58.3kWhバッテリーのみが搭載される可能性もある。

また、コスト削減のため、同時公開された新型商用車PV5で使用されている43.3kWhのリン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーを搭載する可能性もあるが、詳細は未確認である。

いずれにしても、航続距離が約430kmもあれば、ライバルに差をつけることができるだろう。例えば、ルノー4は52kWhのバッテリーで約400kmの走行が可能だ。

外観としては、キアのデザイン哲学「Opposites United」をさらに一歩推し進めたものとなっている。最も顕著な進歩は、滑らかな外装表面とフロントライト処理で、顔を囲むライトの内側に爪のようなランニングライトが追加されている。リアエンドでは、ライトは特に低い位置に取り付けられ、既存モデルよりも丸みを帯びた形状となっている。

車内には、EV3と同じ複合インストゥルメント・インフォテインメント・ディスプレイがダッシュボードの幅のほぼ半分を占めている。

ただし、このコンセプトモデルで見られる跳ね上げ式フロントシート、ロールス・ロイス風のドア、サイドウィンドウのデジタルメッセージボードなど、多くの機能はおそらく市販バージョンには採用されないだろう。

EV2の登場は、キアの電動化計画における新たな段階の完成を意味する。同社CEOのホ・ソンソン氏は、「アーリーアダプター」向けの上級モデル(EV6とEV9)から焦点を移し、「アーリーマジョリティー」への訴求を開始したと語っている。

「当社は量産EVラインナップの拡大により、単に『モビリティ』を提供するだけでなく、顧客の日常生活に電動化を浸透させ、未来を受け入れる準備ができているアーリーマジョリティーの顧客にとってEVをより身近なものにする」とホ・ソンソン氏は述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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