ジャガーXJ6 S1とローバーP5 B(1) 構想は4ドアのEタイプ GMから権利を得たV8で更新

公開 : 2025.05.10 17:45

落ち着いたスタイリングはデビッド・ベイチュ

V8のP5 B 3.5リッターが発表されたのは、1967年のロンドン・モーターショー。ロスタイル・ホイールとドライビングライトで飾られていたが、デビッド・ベイチュ氏が描いた、落ち着いたスタイリングはそのまま。見た目は、従来のP5と変わりなかった。

1962年に追加された、4ドアクーペも引き続いて提供された。ローバーの社内では、ハードトップ・スポーツサルーンと呼ばれていたらしい。

ローバーP5 B 3.5リッター・クーペ(1967〜1973年/英国仕様)
ローバーP5 B 3.5リッター・クーペ(1967〜1973年/英国仕様)    トニー・ベイカー(Tony Baker)

フロントとリアのガラスは、通常のサルーンより倒され、全高は64mmも低かった。ピラーレスドアが想定されていたようだが、剛性の低下が判明し、残されている。

サスペンションは、前がダブルウイッシュボーンにトーションビームで、後ろはリジッドアクスルにリーフスプリングという構成。パワーステアリングが標準装備され、P5シリーズとして最後の輝きを放っていた。

ジャガー新時代の幕開けを告げたサルーン

他方、XJ6 シリーズ1はジャガーにとって新時代の幕開けを告げたようなモデル。プロジェクトXJ4として開発は1964年に始まり、1968年に発売されている。4ドアのEタイプのような、スポーツサルーンとして構想は進められた。

革新的な部分はなかったかもしれないが、既存の技術は大幅に磨き込まれていた。モダンな見た目のボディは、衝突安全性にも配慮。主要市場だったアメリカの安全基準をクリアし、レースを戦える潜在能力も秘めていた。

ジャガーXJ6 2.8 シリーズ1(1968〜1973年/英国仕様)
ジャガーXJ6 2.8 シリーズ1(1968〜1973年/英国仕様)    トニー・ベイカー(Tony Baker)

エンジンは、既に20年モノとなっていた直列6気筒のXKユニット。排気量は2種類あり、2.8Lでは182psを発揮。4.2Lでは248psが主張された。トランスミッションは、オーバードライブ付きの4速マニュアルか、3速オートマティックから選べた。

XKユニットは、軽くないスチール製。確かに設計は古かったが、DOHCヘッドを載せ、技術的には高い水準にあった。

この続きは、ジャガーXJ6 S1とローバーP5 B(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    トニー・ベイカー

    Tony Baker

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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