何と登場から27年!プジョー206は今買って乗ってもよい小型車の傑作【第5水曜日の男、遠藤イヅルの令和的ヤングタイマー列伝:第3回】

公開 : 2025.04.30 17:05

軽快、爽快な乗り味

プジョー205で構築されたスポーティ路線を継承した206の乗り味は、実に軽快。ちょっと硬い足まわりは、期待されるフランス車の乗り味とは異なりますが、そのぶんステアリングは路面と直結しているかのようなダイレクト感があり、シャープなハンドリングでワインディングはお手の物でした。

全長3.8mというコンパクトさは都市部での運転に大きなアドバンテージをもたらし、郊外のみならずあらゆる場面で運転の楽しさを与えてくれたのです。それはエントリーモデルでも同じでした。最高出力75psしかないの? と思うほど、キビキビと爽快に走るのです。

画像は英国仕様だが、日本でもほぼ同様の姿でエントリーグレード『XT』が販売された。
画像は英国仕様だが、日本でもほぼ同様の姿でエントリーグレード『XT』が販売された。    ステランティス

欧州製コンパクトカーの常で直進安定性は優れており、長距離移動も得意科目。シートは従来のプジョーよりは薄めで沈まないタイプですが、座り心地も良好です。後席まわりもボディサイズを考えると広く取られています。

ダッシュボードはいささかプラスチッキーではあるものの、プレミアム化が進み内装が立派になった昨今のコンパクトカーを見慣れると、むしろ「欧州の大衆車なのでこれで十分」と思うのです。

総額100万円しない個体がゴロゴロ

この連載は書いている本人が「いいなあ、欲しいなあ」と思っちゃうのが困りもので、プジョー206もまた然り(笑)。発売初年1999年、販売終了が2007年なので十分に古いモデルなのですが、その頃のフランス車はトラブルの確率も大幅に減り(ないとは言い切れませんが、205などの『05世代』よりは安心できる)、新鮮なデザインを保つ206は、2025年の今改めて買って乗っても十分にアシになるでしょう。

しかし、いくら古く見えないとはいえ時間の経過は残酷。日本で累計5万台も販売されたという206も、大手中古車サイトではCCやRCなどの『キャラが立った』モデルを中心に15台ほどしか掲載がありません(執筆時)。

全長わずか4030mm! 今こそコンパクトなステーションワゴンとして見直したいプジョー206SW。デザインも秀逸だ。
全長わずか4030mm! 今こそコンパクトなステーションワゴンとして見直したいプジョー206SW。デザインも秀逸だ。    ステランティス

とはいえ、程度がよく低走行の個体はまだあり、しかも総額100万円しない個体がゴロゴロしています。古いクルマ、古めのクルマは高い! とお嘆きのアナタ(とワタシ・笑)、206という選択は、案外賢いクルマ選びなのかもしれません。

なお206は欧州のみならず南米、アジアなど世界中で販売され、エリアによってはセダンもありました。2012年までの生産台数はなんと800万台を超え、実はプジョーで一番売れたクルマだったりします。世界各国で受け入れられた傑作車といっても過言ではないでしょう。

そして次回の『第5水曜日の男』は7月30日公開予定です。また「そういえばもう、そんなに古いのか」ってびっくりするようなクルマを取り上げたいと思います。どうぞご期待ください。

記事に関わった人々

  • 執筆

    遠藤イヅル

    Izuru Endo

    1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター兼ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持つ。コピックマーカーで描くアナログイラストを得意とする。実用車や商用車を好み、希少性が高い車種を乗り継ぐ。現在の所有は1987年式日産VWサンタナ、1985年式日産サニーカリフォルニア、2013年式ルノー・ルーテシア。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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