【メーカー謹製レストモッド?】驚くほど乗りやすい!モーガン・プラスフォーは現代でも楽しめる『古くて新しい』スポーツカー

公開 : 2025.04.30 11:45

1909年に創立された英国の老舗自動車メーカー、モーガンの最新モデル『プラスフォー』に高桑秀典が試乗します。クラシカルなデザインではありますが、各部は現代の仕様になっている『古くて新しい』スポーツカーです。

伝統を引き継いでクラシックスポーツカーを造り続ける

モーガン・モーター・カンパニーは、クラシックスポーツカーをハンドビルドしている英国の老舗自動車メーカーだ。

ヘンリー・フレデリック・スタンリー・モーガンによって1909年に設立され、アッシュ材、アルミ、革という3つのマテリアルを用いて、長きにわたって同じシルエットのクラシックスポーツカーを造り続けてきた。

今回は6速MTのプラスフォーに試乗。外装色はエトナブルーだ。
今回は6速MTのプラスフォーに試乗。外装色はエトナブルーだ。    山本佳吾

116年が経過したいまでも伝統的な製法を用いて生産した魅力的なスポーツカーをデリバリーしており、数多くの自動車趣味人が熟練職人の技によって生み出されたモーガンを大切にしている。

自動車界の生きた化石と呼ばれたこともあるが、時代の流れで昨今のモーガンは近代化されており、新設計されたCXジェネレーション接着アルミプラットフォームを採用。ねじれ剛性が前世代シャシーの2倍になり、スライディングピラー式だったフロントサスペンションはダブルウィッシュボーンになって、乗り心地のよさと痛快なハンドリングを実現している。往時のモデルとは中身が別物なのだ。

エンジンも新しくなっており、今回試乗した『モーガン・プラスフォー』は、BMW製2リッター直4ターボエンジンがフロントに搭載されている。最高出力258psを発生するパワーユニットに組み合わされるトランスミッションは、6速マニュアルもしくは8速オートマチックだ。

価格はプラスフォー・マニュアルが1668万7000円、プラスフォー・オートマチックが1755万6000円となっている。

伝統あるブランドのデザインを現代的に解釈

モーガンの現行モデルは、プラットフォームやエンジンのみならず各部のデザインも刷新。

今回プラスフォーと対面して「あれ、顔つきが変わった?」と思ったが、新しいフロントウイングを採用したことでウインカーポッドが取り除かれ、すっきりした印象になったのだ。

フロントは新しいウイングを採用したことでウインカーポッドが取り除かれ、すっきりした印象。
フロントは新しいウイングを採用したことでウインカーポッドが取り除かれ、すっきりした印象。    山本佳吾

また、新型の8インチヘッドライトユニットはモーガンにとって初めてのもので、既製品の前照灯を使用してきたこれまでとは異なり、モーガン独自設計のプロジェクター式となる。強力かつ高品質な光を放つヘッドライトはウインカー一体型で、内部に繊細なルーバー模様が施されている。

張りのある立体的なボリュームとなったフロントウイングと同じようにリアウイングも新しくなり、より強調された形状となった。

新型のテールライトは、ストップライトとウインカーを一体化。これにより、リアウイングの輪郭がよりすっきりとしたものになった。従来のテールライトよりも明確な光を提供してくれるので、後ろからの視認性も向上したと言えるだろう。

また、新型のフロントロアースプリッターとフロントナンバープレート台座は、シンプルな形状に変更された。フロントスプリッターはダークマットカラーで仕上げられ、バンパーやアンダートレイのない初期モデルを彷彿させる。

『PLUS FOUR』のバッジはモーガン独自のH.F.Sボールド書体を採用しており、クラシックカーブランドのデザインを現代的に解釈したものだといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    高桑秀典

    Hidenori Takakuwa

    1971年生まれ。デジタルカメラの性能が著しく向上したことにより、自ら写真まで撮影するようになったが、本業はフリーランスのライター兼エディター。ミニチュアカーと旧車に深い愛情を注いでおり、1974年式アルファ・ロメオGT1600ジュニアを1998年から愛用中(ボディカラーは水色)。2児の父。往年の日産車も大好きなので、長男の名は「国光」。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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