洒落たフランス車をお手頃に プジョー208(初代) UK中古車ガイド ウェットベルトにご注意

公開 : 2025.02.09 19:05

小型ハッチバック市場で、プジョーを復調させた208 207より遥かに快適 1.2Lピュアテックは、ウェットベルトとオイルにご注意 手頃な価格で乗れるフランス車 英編集部が長短を再確認

プジョーを復調させた208 207より遥かに快適

小型ハッチバック市場で、低迷していたプジョーを復調させたのが、2012年に発売された208だ。先代に当たる207は、目の肥えた欧州のユーザーの心を充分には掴むことができなかった。

洒落たスタイリングとゆとりある車内空間を両立しつつ、経済性も悪くなく、運転する魅力も備わっていた。伝説的な205と人気を維持した206で、圧倒的なシェアを勝ち取ってきたプジョーにとって、形勢逆転を果たした新世代といえた。

プジョー208(初代/2012〜2019年/英国仕様)
プジョー208(初代/2012〜2019年/英国仕様)

ただし、フォードフィエスタフォルクスワーゲン・ポロなど、2010年代には傑作といえるモデルが少なくない。また、一新されたボディやエンジンなどと異なり、プラットフォームは207と同じPF1。205の再来と呼べるほど、運転の楽しさは宿していない。

それでも、今の英国では1000ポンド(約20万円)程度から探せるという、お買い得さは大きな魅力だろう。207の印象を霞ませていた、身のこなしの重さは払拭。市街地での乗り心地も良い。

ステアリングの反応は正確で、軽く操れる。大きめの凹凸を吸収しきれないことはあるものの、走行時の洗練性は高く、毎日の快適な移動を叶えてくれる。

ウェットベルトとエンジンオイルにご注意

エンジンは、ピュアテックを名乗る、新開発された自然吸気3気筒ガソリンが中心。68psの1.0Lか、83psの1.2Lから選択できた。燃費はいずれも17.0km/L前後で良好なものの、パワフルとは呼びにくいため、市街地中心の移動に向いている。

高速道路でも不満なく走りたい場合は、109psを発揮した1.2L 3気筒ターボが望ましい。燃費も悪くない。ただし、ピュアテック・ユニットはタイミングベルトがエンジンオイルに浸った、ウェットベルトと呼ばれる独特の構造を取っている。

プジョー208(初代/2012〜2019年/英国仕様)
プジョー208(初代/2012〜2019年/英国仕様)

エンジンオイルの劣化に伴い、タイミングベルトの劣化も進みやすいのが悩みのタネ。潤滑系統にベルトの破片が詰まると、オイルが充分に行き渡らずエンジンの不調を招いてしまう。ピストンリングが原因で、オイル不足にも至りやすいようだ。

英国のプジョーは、この1.2Lピュアテック・ユニットに10年間の延長保証を設定している。ウェットベルトの不具合も対象になるが、一定の条件もある。ちなみに、自費で交換する場合は、600ポンド(約12万円)程度はみておきたい。

他方で、96psを発揮する1.4L 4気筒・自然吸気ガソリンか、156psの1.6L 4気筒ターボガソリンなら、こんな心配は不要。英国の場合、1.6Lのディーゼルターボも選べる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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