日産、新型『リーフ』で空力性能を向上 「Cd値0.25」で航続距離600kmへ

公開 : 2025.06.04 18:45

日産は第3世代の新型『リーフ』で空気抵抗係数(Cd値)0.25を実現したと発表しました。これまで蓄積した豊かな知見を活かし、実用性とスタイルの良さを重視しているとのこと。正式発表は6月後半を予定しています。

これまでの知見を活用 実用性重視

日産は、第3世代となる新型EV『リーフ』を6月後半に正式発表する予定だが、これに先立ち、主な特徴を紹介する新たな映像を公開。その仕様の一部と外観が明らかになった。

日産によると、新型リーフはこれまでのモデルとプロポーションが大きく異なるものの、開発には初代および第2世代から得た知見が大いに活かされているという。

新型日産リーフ
新型日産リーフ    日産

グローバル製品戦略責任者のリチャード・キャンドラー氏は、次のように述べている。

「リーフは日産にとってアイコン的な存在です。当社のコアモデルの1つであり、『心臓』と言えるモデルです。2010年以降、約70万台のリーフを販売し、お客様が走行した総距離は280億kmを超えます。そのため、お客様のニーズがリーフの登場初期から現在までどのように進化してきたか、現実的な知見があるのです」

主な改善点の1つは、空力性能の向上だ。新型リーフは、欧州仕様で空気抵抗係数(Cd値)0.25を実現し、第2世代の0.28から大きく改善されている。

バッテリーの仕様詳細は未公表だが、最大航続距離600kmを謳っており、これに空気抵抗の低減が一役買っていることは間違いない。

また、遮熱機能付きのエレクトロクロミック調光パノラミックルーフもオプションとして用意される。日産は、このルーフにより物理的なブラインドが不要になり、後部座席のヘッドルームを犠牲にすることなく快適な空間を実現できるとしている。

リーフは2010年に世界初の量産型EVとして発売され、最初の2世代はハッチバックタイプであったが、第3世代ではトレンドを意識したクロスオーバータイプへと進化を遂げた。

新型は、アリアと同じルノー・日産・三菱アライアンスのCMF-EVプラットフォームを採用する。パワートレインなどの詳細はまだ明らかにされていないが、欧州製品責任者のフランソワ・バイリー氏は「実環境での航続距離」を重視していると述べた。

同氏はまた、「高速道路での航続距離が重要なポイントです。そのため、空力性能に優れた美しい形状を採用しました。重視したのは実用性です。充電時間を含めて、例えば800kmを走るのにどのくらいの時間がかかるかということです」と付け加えた。

リーフのデザインについて、グローバルデザイン担当責任者であるアルフォンソ・アルバイサ氏は、「非常にモダンで、シンプルで素敵なもの。仕立ての良さ、見栄えの良さ、均整のとれたデザイン、開放的でクールなハイテクインテリアを追求しました」と説明している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

7年ぶりのフルモデルチェンジ!新型日産リーフ詳報の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事