テスラに対抗、新EVブランド『IM』英国上陸 約800万円でセダンとクロスオーバー発売へ

公開 : 2025.07.16 06:45

上海汽車らが共同で立ち上げたEV専用ブランド『IM』が英国市場に導入されました。MGの販売店で、テスラのモデル3とモデルYを彷彿とさせる2車種を販売します。航続距離は最大711kmとされています。

MG販売店に並ぶ 航続距離700km以上のEV

MGは、テスラに対抗する新しいEVブランド『IM』を英国に導入した。モデル3モデルYを彷彿とさせる、小型のセダンとクロスオーバーをラインナップする。

7月10日から13日にかけて英国で開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、新型EV『IM 5』と『IM 6』を一般公開した。今後数か月以内にMGの販売店に導入される予定だ。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたIM 5
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで公開されたIM 5    AUTOCAR

IM(Intelligence in Motionの略)は、MGの親会社である上海汽車(SAIC)、eコマース大手のアリババ、研究開発を専門とする張江高科技(Zhangjiang Hi-Tech)の提携により2020年に設立されたEV専用ブランドだ。昨年、ジュネーブ・モーターショーで欧州デビューを果たしている。

セダンのIM 5(中国ではL6と呼ばれる)は、100kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、最大航続距離711kmを誇る。800Vの充電アーキテクチャーにより、10~80%の充電をわずか17分で完了できるとMGは説明している。

仕様詳細は未発表だが、IMのプラットフォームはMGの既存モデルとは別のもので、396kWまでの充電に対応している。これは、英国で現在設置されている公共充電器を上回る能力だ。

最近、900Vの半固体電池を搭載したIM 6ライトイヤー・エディションが発表されたが、英国に導入されるかどうかはまだ明らかになっていない。

IM 5は、75kWhバッテリーを搭載した航続距離の短いバージョンも発売される予定で、航続距離は約530km、価格は3万9450ポンド(約780万円)からとなる。大容量バッテリー搭載モデルは4万4995ポンド(約890万円)、高性能バージョンは4万8495ポンド(約960万円)とされ、価格と性能面でテスラ・モデル3とほぼ同等のラインナップが揃うことになる。

同じ基本構造を共有するクロスオーバーのIM 6では、小型バッテリーは搭載されないが、ロングレンジバージョンが4万7995ポンド(約950万円)、パフォーマンスバージョンが5万995ポンド(約1010万円)という価格で、モデルYと競合する。

パワートレインの仕様は未公開だが、MGによると、最もパワフルなモデルには『ハリケーン』と呼ばれる新世代モーターが搭載され、最上位のツインモーター車では合計出力777psと最大トルク81.7kg-mを発生するという。これにより、セダンは0-100km/h加速3.2秒、クロスオーバーは同3.5秒を実現する。

2台のインテリアはほぼ同じで、26.3インチの巨大な曲面インフォテインメント・ディスプレイと10.5インチのセンタータッチスクリーンが搭載される。

どちらのモデルにも、パノラマルーフ、「雨の夜」用ドライビングモード、自動駐車アシスト、後輪操舵システムなどが用意される。MGによると、後輪操舵を装備したIM 5の最小回転半径は5m未満になるそうだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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