ホンダ 欧州向け最終モデル『シビック・タイプRアルティメット・エディション』公開

公開 : 2025.07.11 19:45

ホンダはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、欧州向けのシビック・タイプRの特別仕様車『アルティメット・エディション』を一般公開しました。28年の歴史を締めくくる40台限定モデルとなります。

グッドウッドで有終の美

ホンダは、7月10日に英国で開幕したグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで、シビック・タイプRの特別仕様車『アルティメット・エディション』の実車を公開した。

欧州向けのタイプRの生産は2026年に終了する。今回のアルティメット・エディションは、その28年間にわたる歴史を祝う最終モデルとして40台限定で販売される。

グッドウッドで英国デビューを果たしたシビック・タイプRアルティメット・エディション
グッドウッドで英国デビューを果たしたシビック・タイプRアルティメット・エディション    AUTOCAR

欧州向けのラインナップからタイプRを外す理由について、ホンダは「業界の変化に伴い、当社のモデルラインナップも欧州の規制に合わせて進化しなければならない」と述べている。

これは、欧州連合(EU)と英国で導入される新たな排出ガス基準にタイプRが適合しないためだ。

アルティメット・エディションは、シグネチャーカラーであるチャンピオンシップホワイトのボディに、伝統的な内装色を連想させるレッドのレーシングストライプが施される。

インテリアには、ドアのスキッドプレートやセンターコンソール周辺など、カーボンファイバーのディテールがふんだんに採用されている。

価格はまだ発表されていないが、従来のシビック・タイプRの4万8900ポンド(約970万円)よりも大幅に高くなる見込みだ。

生産予定の40台のうち、10台が英国向けとなる。ホンダは、先着順で販売すると発表している。

欧州および英国では、「ホットハッチ」と呼ばれる高性能のハッチバックモデルの人気が高いが、近年その販売車種は縮小しつつある。すでにフォード・フォーカスSTやヒョンデi30 Nが販売を終了し、前輪駆動モデルとしてはフォルクスワーゲン・ゴルフGTI、ポロGTI、ミニ・ジョン・クーパー・ワークスなどが残るのみ。

四輪駆動モデルは、ゴルフR、 トヨタGRヤリス、メルセデスAMG A 45 Sなど比較的堅調だが、排出ガス規制やEVへの移行に伴い、その存続は脅かされている。

シビック・タイプRは英国で28年、6世代にわたって販売されたが、最初のモデル(1997年後半発売)はホンダの現地法人によって正式に販売されたものではなく、日本からの並行輸入車だった。現行モデルは第6世代にあたり、最高のドライバーズカーの1つと広く評価されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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